「7月の物語」

 

 

「女っ気なし」「やさしい人」のギョーム・ブラック監督が、フランス国立高等演劇学校の学生たちと制作した作品。2016年7月のパリとその郊外を舞台に、バカンスシーズンの始まりに浮き立つ若者たちの戯れを描く2つの物語を、それぞれ5日間の撮影期間、3人の技術スタッフと少ない機材で撮り上げた。7月の晴れた日曜日。会社の同僚であるミレナとリュシーは、パリ郊外セルジー=ポントワーズのレジャー施設へ女2人で遊びに行く。そこで出会った青年ジャンの存在により、2人の間に芽生え始めていた友情に亀裂が入る(第1部「日曜日の友だち」)。7月14日、革命記念日で沸き立つパリ。国際大学都市に住む女子留学生ハンネは、明日の帰国を前にパリで最後の夜を楽しもうとするが……(第2部「ハンネと革命記念日」)。

 

2017年製作/71分/フランス
原題:Contes de juillet
配給:エタンチェ
劇場公開日:2019年6月8日

 

 

コロナになる前2019年の5年前くらいにユーロスペースで拝見して以来どうしてもこの映画を見たかったが、配信もなく。今回待ちに待った円盤化でAmazonにて即購入。映画館では一度しか見ておらず、あまり記憶になかったのだが、ワンショットの美しさは強烈に記憶に残っていて、電車のシーン。夜のシーン。飛行機からのパンダウンのショット。などなど。

 

当時はカメラ一台で街中に出て映画を撮りたいってずっと繰り返しホンサンスやギョームブラックを研究してて、この映画にも多分に影響を受けた。物語や作風というよりも”自由に映画を撮る”ことへの回帰。ユーチューバーが毎日それなりの映像を作っているこの時代において、一見なんの価値もないように聞こえるその撮影行為において、この作家の作る映画は間違いなく重要だ。

 

映画でしかでき得ない表現が詰まっていて、芸術的でもあり、エンタメ的でもあり。どうしたらこんな映画が撮れるのか?よく研究したものだ。映画のショットとショットの繋ぎ目に宿る奇跡をどうしてこんなに表現できるのだろうか?今にしたら少しわかって近づいた気がする。また勉強の教材に繰り返し見るだろうこのDVD。

 

 

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