フロイトの説明する英雄伝説の構図 | 気になる映画とドラマノート

気になる映画とドラマノート

厳選名作映画とドラマを中心に、映画、テレビ番組について、思いついたこと、美麗な場面、ちょっと気になる場面に注目していきたいと思います。

フロイトの「モーセと一神教によると、(ちくま学芸文庫)フロイトの弟子だったO・ランクは、世界の英雄神話に次のような構造がみられるという。

 「英雄はきわめて高貴な両親の子どもである。
 彼の誕生に先立って、外的な力による禁止、密会がある。
 妊娠期間中に、彼の誕生を警戒するようにという告知がある。
 生まれたばかりのこどもは、父親を代理する人物によって、捨てられ、殺されるように指示される。
 身分の卑しい人物によって育てられる。

 成人するにいたって、波乱万丈の道をたどって、高貴な両親に再会し、復習を遂げ、真の素性を認められて、栄光を手にする。」

 これは、驚くほど、韓国ドラマのあれこれにあてはまる。チャングムであれ、ホジュンであれ、善徳女王であれ、その他、例をあげれば、きりがないほど、どれもこれも、骨法は、この物語構造にあてはまる、皆あてはまる。

 これは、どういうことかというと、実際には、朝鮮の神話には、この英雄神話にあてはまる神話は存在しない。

 にもかかわらず、あらゆる歴史ドラマがこの構造にあてはまるのは、なぜか、といえば、たぶん、韓国ドラマは、上にあげた物語構造が既知の物語構造として大学のドラマ脚本マニュアルとして、レクチャーされているからであり、このマニュアルの応用をしつつ書かれているからだと思える。