アメリカ映画「ハワーズエンド」 | 気になる映画とドラマノート

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イギリス映画ハワーズエンドは、1900年代はじめのイギリスの中産階級の家族を舞台にしており、物語に描かれた時代に、女性の普通選挙参政権の実施がまもなく、はじまるという事がその家の女性たちが、お茶を飲んでいる時に話題になる。

 そのとき、話に加わる女性のほとんどが、わたしたち女性の意見を選挙に繁栄さえることができて、大変いいことだわ、という。

 しかし、ヴァネッサ・レッドグレープ演じる長老の女性は、わたしはそう思わない。世界情勢や社会で起きている事実を知るには、女性はあまりにも、家事で忙しい。知りもしないことをしったかぶりで、正しいことを言っているかどうか、判断材料もなく、選挙に投票してどうなるものでもない」という。

 ここで、一見、遅れた意見の持ち主のように見える、このお祖母さんの考え方を示すことによって、作者は、選挙や政治参加を女性派するな、と言っているわけではない。

 果たして、よく勉強もしないで主張しても、とにかくそれは「民衆の声」だから正義なのか、という民主主義への疑問をなげかけているのだ。

 脱原発も意見のひとつとしては、当然ありうるだろう。しかし、この運動では、当人もマスコミも、かならず「国民の声」「民衆の声」と強調し続けている。

 また、特定秘密保護法でも、「女性たちは声をあげる」とか「国民の声」「民衆の声」という。
 日本国民は、そんなにかしこいのだろうか。そんなに勉強しているのか。本当か?

 意見をいう自由は大事だし、国民の声は大事だ。しかし、このハワーズエンドの作者は、「私は、家業で忙しくて、知らない分野がたくさんある。知らないことには、口を慎む、という人物を場面に入れている。

 都知事選挙でも、主婦のボランティアがとても多い。わたしは、彼女たちに、過去一年間に読んだ本は、なんですか、と聞いてみたい気分になる。