岩波書店「世界」を読む。2 | 気になる映画とドラマノート

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岩波書店 「世界」 2

 2013.9月号 神保太郎のメディア時評 


 

 朝日新聞が参議院選挙前の世論調査結果を一覧表にして、掲載した。この内容が自民党圧勝というものだったことから、神保太郎は、「有権者に熟考を促すためのものか、なにも変わらないという諦めを起こさせるものか」どこかまで配慮したものか、疑問だ、という。

 


 

 これは、明らかに「朝日新聞、毎日新聞、TBS,テレ朝」が「岩波書店」と同陣営に属するにもかかわらず、ウブな読者に、けっして「左翼陣営」などというものは、存在しませんよ、と言いたい意図も含んで朝日に文句をつけたフリをしている。

 


 

 そもそも、選挙前にデータを出す事自体は、どう受け取ろうと、有権者の勝手であって、コノデータを出せば「優勢な政党に有利だから掲載を控えよう」とか「野党に挽回させるためには世論を掲載しよう」などといちいち判断して新聞が載せるのだとしたら、その方が僭越だろう。

 


 

 しかし、神保太郎は、メディアによる世論調査は世論操作になっている。というが、これも驚く言い分だ。神保太郎は、自民党の支持率が世論調査で急落すれば、大喜びで騒ぎ立て、支持率が高いままだと世論操作の閣下だという。

 


 

 私の持論は、「朝日新聞、毎日新聞、TBS,テレ朝」と「岩波書店」という左翼陣営は、「経済格差」「従軍慰安婦強制連行」「日本軍国主義」「憲法9条擁護」「反原発」で一致しているが、いかにこれがうさんくさいことか。

 


 

 じつは、これらの項目は、本当は4点セットで一致する根拠はないは自明だが、どういうわけだか、彼らはどうしても、この4点セットで一致してしまう。

 


 

 神保太郎は、まず「アベノミクスは崩壊するに違いない」と言ったあとに、次に「憲法改正」問題を取り上げ、そして次には「日本の原発輸出」に反対する主張を展開している。まったく、この「左翼陣営」のワンパターンをなぞっている。

 

 神保太郎の言う「原発輸出反対」の卑劣性とは、なんのことはない、「日本の原発輸出が台湾の美しい村を破壊した」というのだが、「原発が破壊した」のではなく、「反対運動と警察のぶつかり合い」のことを指しているのである。

 


 

 まったく、詐欺ではないか。この場合、事故以前の状況なのだから、日本でも、基地反対闘争や原発反対闘争などがあるけれども、これが「基地の犠牲」とか「原発被害」とは言わない。それは、社会に政治的な意見対立がある場合の処理の仕方の問題であって、台湾の過激な反対闘争によって警官に死者が出たからと言って、建設もしておらず、事故もあるわけもない段階で、「原発輸出が村を破壊した」はないだろう。