韓国ドラマの最高峰「インス大妃」
(現代ものでは、「栄光のジェイン」が一番好き。)
なぜ最高峰かというと、韓国ドラマの時代劇のなかでも、おばあさんの苦悩に、わたしは、偏愛をかんじているからなのです。
アメリカの映画、日本の映画、ドラマで「おばあさんの悲惨な苦悩」を見たことがない。
しかし、韓国時代劇では、とくに「チャン・ヒビン」の若い頃、オクチョンを取り立てる大妃、このインス大妃とその姑の苦悩の状況が描かれる。
孫にそむかれ、嫁と諍いし、夫、息子には先立たれる孤独なおばあさんたち。
ああ、人生かくのごとし。
そう、日本の大河ドラマでは、ああ、人生かくのごとし感が、めったにないのは、おばあさんの悲しみが焦点になることが、めったにないからかもしれません。
おばあさんの苦しみの場面を見ていると、わたしは、かわいそうで、かわいそうで真剣に見てしまいます。もう、からだも、こころも、年老いて、弱っているというのに、インス大妃は、なんと過酷な運命にあうのか、と。
しかも、おばあさんにも、意地があるので、老体にむちうって、力を振り絞って毒を吐くようにどなりつけたりします。泣いて、めそめそしているばかりではありません。気を張って。それが壮絶で、崇高な感じさえあたえます。
そういう、場面がしばしば韓国の時代劇にはあります。
インス大妃は、もう何度もドラマ化されているわけですが、とくに題名が「インス大妃」と題した作品は、廃妃ユン妃の母親が、この人も、おばあさんになるわけですが、このおばあさんはまた、あさましい気持ちの人で、非常にリアリティがある。