韓国ではいまだに、どうしても「宮家」への憧れ意識と李氏王朝の苛政への批判意識が分裂している。
あのイ・ビョンフン監督でさえ、清国の使者と粛宗が対等に対話するかのように演出している。
しかし、この「ホ・ギュン」の作者は、15話でなぜ宣祖の時代に日本軍にさんざん荒らされたか、その原因を明らかにしている。
それは、李氏王朝の成立の起源がそもそも、武力クーデター、裏切りによって成立したものだということに関係がある。
李氏のイ・ソンゲ自身が武官で、クーデターを起こして権力を奪い取ったのだから、宣祖は、国の中に兵力を持って、有力な武官の存在を嫌悪した。
そのことを「ホ・ギュン」の作者は如実に描いている。
宣祖はまず、日本軍と勇敢に戦ったキム・ドンニョンを謀反の疑いをかけて拷問する。
そして次にはイ・スンシンも、謀反の疑いがあるという。つまり、宣祖は武力を持つ部下は、優秀あればあるほど、いずれ謀反をするのではないかと疑惑をかける。それは先祖のイソンゲ自身がやったことだからだ。
そして、明国から派遣されて朝鮮にいる明兵には、「朝鮮の殿下も頭があがらない」と朝鮮の通訳に言わせている。
まことに、リアルに李氏王朝を批判しているドラマだ。
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