そもそも、重臣の領議政が、日本は来ないに違いない、と王に吹き込んで、いっさい防衛の準備をしてこずに、攻め込まれてからあわてて対応したのだから、ただでさえ両班たちが儒学の形而上学にかまけて現実を無視してきたのだから、遠方から来た日本軍に惨敗したのは無理もないことだった。
そして、宣祖に「日本は来ない」という間違った判断を与えた領議政がこのたびは宣祖に、「都を棄てて、平城に逃げましょう」と提案する。
それはいけない、死ぬ気で都を死守すべきです、そして民を守らなければいけない、という反対意見に対して宣祖は言う。
「中国に涙ながらに訴えよう」「朝鮮は義を尊ぶ国だと中国はわかってくれるだろう」と。これは決定的に作者が宣祖を批判しているセリフだ。
同じ頃、朝鮮の民は、「日本人は背も低く腕も短いから鉄砲無しなら朝鮮人のほうが強いはず」、「いや、そうではない、刀さばきがうまいので朝鮮人は負ける」と、よほど両班よりも現実を直視する議論をしている。
そして、13話では、主人公のホ・ギュンは「いったい殿下はなにをしていたのか、なぜ戦を防げなかったのか」と憤る。
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