ちなみに、「007危機一発」「史上最大の作戦」は水野晴夫さんがつけたので有名。邦題をつけるのも、それなりの賢さが必要なようだ。
いつも参考にさせていただいているレビューブログを見ると、原題は「色即是空」とある。ウーン、たしかにわかる気がする。これはなかなかよい題名ではないか、色即是空の本来意味するところの、「人生はすべて虚しい」と「色事」が虚しいという意味がかけられていることになる。「セックスイズゼロでは、人生そのもがむなしい」ということが抜けてしまう。
ちなみにこの「いつも参考にさせていただいているブログ」は、かなり僕とは意見が違うのだが、今回は意見があった。この人、この作品を全面否定しています。「下品」「汚い」「笑えない」(しかし、「一番街の奇跡」は実はこの監督の作品なんですよね。僕にはこの監督の手法、考え方はまったく同じだと思います。
エロ・グロ・暴力を刺激的に、大衆映画としてぎりぎり通用するようにやって見せること。これがこの監督の癖でしょう。「思い切り殴りつける」「ハ・ジウォンが乳首を見せる」「セックスシーンでおしりを出す」「精液を卵焼きのようにフライパンで焼く」イヤー、これ日本でやったらどうなんでしょう。ちょっとテレビ番組でとりあげる限界を突破しているのでは。
こういう映画が、「さすが韓国」(そんな文言のレビューもあります)などと韓国映画の典型と思われる材料を提供しているとすれば、とても残念な作品です。失敗作ともいえません。なぜなら、意図してグロを狙っているのだから。
この映画韓国公開当時430万人のメガヒットというから、製作者、業界内部から言えばさぞ恥ずかしい映画史の事実ということになるだろうな。
それでも、「一番街の奇跡」(30点)よりはだいぶましで、40点。すべてはハ・ジウォンの役つくりへの功績への点数か。
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