韓国映画 ハ・ジゥオン主演 一番街の奇跡 | 気になる映画とドラマノート

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厳選名作映画とドラマを中心に、映画、テレビ番組について、思いついたこと、美麗な場面、ちょっと気になる場面に注目していきたいと思います。

 僕はこの映画は、薦めない。ダメな理由が書きます。

 監督はユン・ジェギュン
 「マイ・ボス・マイヒーロー」「セックス・イズ・ゼロ」など

 2007年2月、韓国で公開されたこの映画は270万人が観た大ヒット映画だが、僕にはこの映画の良さが理解しがたい。

 しかし、これまた、他のブロガーさんと意見が大きく違う典型的なケースとなっている。

 前回は、他のブロガーさんが、否定した「タチャ」を僕は肯定したが、今度は、逆に、この作品については僕は否定派だ。たしかにハ・ジウォンは魅力的だし、大変なトレーニングを積んで役つくりをしていたことはわかる。悪いのは、監督と脚本家なのだ。

 では、どうダメなのか、書きましょう。
 この映画には、貧乏であることに関連した、胸を締め付けられるような、ある意味ショッキングでさえある場面が4シーンあります。1.幼い、小学校にも入っていないような小さな兄妹が、祖父がガンにかかっても、治療費が無くて、トマトがガンに効くと聞いて、親切なおじさんからトマトを買ってもらう。このトマトを持っていく途中、小学校のガキ大将に見つかって、路地に追い詰められた二人はトマトを奪われて、そのトマトを投げつけられて、顔や頭が赤く染まっていく中、号泣する。

 しかし、僕は思う、これはおかしくないか、こんないじめ方があるだろうか。なるほど、小学生はこんないじめ方をするに違いない、とは到底思えない。子供というのは、同伊世代同士で、いじめるもので、小学3年ほどの子供が幼稚園児ほどの小さな子供を路地に追い詰めてトマトを投げつけるなど、まったくリアリティがない。

 2.地上げ屋が貧乏人が住み続ける借家を無理やり追い出そうとかかり、追い詰められた貧乏人のおばさんが、灯油をかぶって焼身自殺をする。

 これも、まったくとってつけたようなエピソードであって、実際この映画の中でも、保証金が渡されるシーンがあるが、このようなケースで、焼身自殺するだなんて、おそらく日本でも韓国でも無いのではないか。だいいち、住む場所がないわけがない。もちろん、人はあまりに理不尽な仕打ちに抗議をして、焼身自殺する場合はあるだろう。しかし、この場合があてはまるとは考えられない。

3.貧しい人々にやくざたちがいっせいに襲い掛かってなぐりつける場面がある。

 しかし、こんなことが現実にあるわけがないではないか、白昼公然と立ち退き要求を理由として、リンチなど行うことなど現実にあるはずがない、したがって同情や共鳴よりも、なんだこれは、という違和感が先行する。

4.ハ・ジウォンが二日酔いで嘔吐する場面があるが、メイキングで明かされたように、監督は実際に、ハ・ジウォンに嘔吐させている。この監督は、2002年の「セックス・イズ・ゼロ」でも、二日酔いの後の嘔吐の後を映している。

いったいどういう意図でこういう吐しゃ物のリアルな再現をしようとするのか、理解に苦しむ。

 僕たちは、映画のあるシーンで、共感して泣くという場合には、そうだよな、こういうことってあるよな、といった感覚とともに、泣くはずである。そうすると、上にあげた三つの貧乏の悲惨な場面は、あまりにも、奇矯で、刺激を追究しすぎたあげく、常識感覚があれば、ついに、あるわけないだろう、というとこまで行ってしまっていると思う。

 ハ・ジウォンのボクシングの修練には、たしかにたいしたものだと思いはしたが、こうした致命的欠陥ゆえに、100点満点中、30点と行きたい。悪いのは、脚本だった。

 
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