一番最初に言うほどのことでもないのだが、この映画を観てああそうだったのか、と思ったのが、テレビドラマの傑作「シティーホール」にチョン・マダムと呼ばれる政治家の後援者が出てくるのだが、この「チョン・マダム」という名前、映画でキム・ヘスが演じた「チョン・マダム」のパロディらしい。いや、パロディというより、テレビのチョン・マダムが、映画のチョン・マダムにあこがれて、自分もチョン・マダムと呼ばれたかったという設定なのだろう。
というのも、最初、あれ?チョン・マダムって「シティーホール」にも出てきたなあ、と思っていたのだが、よく調べてみると、韓国人にとって、「チョン・マダム」は有名らしい。
2006年の「タチャ」が、観客680万人の大ヒット作で、主役級の女性の名前が「チョン・マダム」だからだ。
「シティーホール」を観た時は、(さすが?)日本人の僕、ぜんぜん、気がつかなかった。
ところで、この情報「観客680万人」だった、という事実を知るきっかけになった韓国映画ブロガーさんは、この作品をものすごく低く評価していて、
オススメ ×
ストーリー △
韓流王道 ×
泣き ×
笑い ×
名作 ×
映像 ×
としている。
そして、「この手の映画なら日本のドラマや映画のほうがずっとおもしろい」と書いている。
そうだろうか。僕なら、この手の映画ならフランス映画、といいたい。僕にはこの映画が日本のドラマや映画と同類の映画で、そして劣っている、とは思えない。あるいは、フランス映画にこの手の映画があって、フランス映画のほうが・・・」とは言えるかもしれないが。
昔の小林旭、石原裕次郎、二谷英明隆盛時代の日活映画に似ていて、こちらのほうがいいし、フランスの暗黒街ドラマやアメリカの「ハスラー」や「シンシナティ・キッド」、「ゲッタウエィ」の要素もある。
しかし、これらの過去の名作群をよく学んで、とてもよくしあげてある。けっして、ちゃちだとか、くだらないな、という気はしなかった。また、そこがまがりなりにも大ヒットしたゆえんでもあるのではないか。
チョ・スンウは、「傷だらけの天使」の頃の萩原健一のように、繊細さとタフネスが同居したたいした存在感を出していた。キム・ヘスは、もしかすると、この映画をヒットさせた原動力はキム・ヘスの存在感ゆえだったかもしれない、と思わせるところがある。それは、下のスナップショットを観ればわかるかもしれない。
この映画を否定的に観ているこのかたは、「オールイン」は良かったというし、僕は「オールイン」はそんなによくないと思うので、いかに映画というのが、人それぞれで評価が違うかということなのである。もちろん、ぼくのほうが正しいというつもりではない、とにかくずいぶん違うmんだと思ったことは確かだ。
ぼくの評価だとこの映画はこうなる。
オススメ ○ 見所、いいセリフはいくつもある。
ストーリー×
泣き ×
笑い ○ (ただし、笑いの映画ではない)
名作 ○ (名作というわけではなく、きちんとできている、ちゃんと、おーっとうならせるところがある)
映像 ○
★5つ満点中
★★★★
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