千秋太后 66話  画像 感想 | 気になる映画とドラマノート

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正直、千秋太后を見て、この作品の意図が図りかねるところがありながら、見てきた。

しかし、66話まで来て、作者のナショナリスティックなモチーフがかいまみえたと思う。

韓国は中国と特に高句麗時代の領土について歴史論争をしてきた。朱蒙が現実の歴史論争を背景とした遺恨として作られたというのは有名な事実だが、66回で、カン・ジョ大将軍が契丹の兵と対峙する時、契丹の将軍が、

「我ら契丹は、大遼帝国の皇帝陛下に代わり、真相を究明する」と言って、

高麗のカン・ジョ大将軍は言う。
「契丹の者どもよく聞け。ここは高麗である。一歩も進入させぬ」と。

ここの部分は、実に意味深い、私たちは、朱蒙以降、「大王世宗」「チャン・ヒビン」「王の女」「女人天下」などの李氏の時代に、いかに朝鮮が明国、清国の属国として無理難題を強いられて、屈辱外交をしてきたかイヤというほど知っている。そして、どこに民族の誇りがあるのだろうか、とさえ思う時もあった。(傍観者の日本人でさえそう思うほどだ。)

 つまり、2009年の千秋太后の制作モチーフには、明らかに、大遼帝国と契丹という大きな勢力にけっして屈しない肝の太く勇敢な先祖がいたのだ、という主張がそこに秘められているのだと考えられる。

 それは、現在の中華人民共和国に対して、かつての李氏王朝の時代のような事大主義(大きなものにつかえる)外交はせぬぞ、という決意の表れなのだ。(朝鮮戦争では、北朝鮮に中国が支援したために、統一しそこなったという事情もあるだろう)

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現在の韓国人のルーツである高麗のカン・ジョ大将軍は、非常に勇敢に、「大遼帝国と契丹の侵攻に立ち向かう。

それから、今回の話を見ていると、高麗の人間は、高麗を王氏(ワン氏)の国と言っているのがわかる。太祖は王建ワンゴンだからだ。

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豊臣の天下とか徳川の世というのと同じで、王ワン氏、李氏の国と言っている。


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製作者にとって、まず、高麗建国約100年後の実権を握っていたのが、千秋太后という女性であったことは、「女人天下」の経験から、ヒット作品になりうる期待を高めたろう。そして、滅ばされた新羅の末裔キム・チャンの子供をみごもったのも、史実だから、ドラマ的な興味もあると思われたことだろう。

この物語では、歴史書では、キム・チャンとのこどもを王にしようとした悪女である千秋太后を、けなげに契丹や遼と愛国的に対峙しながら、愛人キム・チャンに裏切られる悲劇の女傑として描いたわけだ。



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