フィリピンでは、日本軍は、フィリピンの住民から食料を調達して、その住民を射殺する場合もあった。
そこに日本軍がいたことを米軍に通報されることを防ぐためだった。
こうした事件は、極東軍事裁判で戦争犯罪として告発された。(ただし、だから、日本人が本性、野蛮とか残酷ということではなく、真実は、どこの国の人間であれ、戦争では狂った行動をしてしまってもおかしくない存在で、だからこそ、戦争はおこしてはならないのだ。)
この作品で、夏目雅子は日本人の京子と、フィりピン人のマリアの二役を演じている。
学生だった江上孝は、京子と別れて、下士官としてフィリピン戦線に行き、そこでフィィピン人女性マリアと知り合い、京子と似たおもかげを持つマリアに救われた気になる。
しかし、その後、上記のとおりの出来事が起こり、曹長が部下を守るために必要なのだ、とマリア(夏目雅子)を連れ去り、射殺してしまう。江上は部下を守るためだという言葉に躊躇して、マリアを殺す曹長を黙認してしまう。
江上は連合軍の裁判にかけられて、マリアを殺したのは、自分の命令だから、自分の責任だという。
京子が嘆願書を出すが、江上はみずからの責任を取って、減刑を願うことをしない。
そして、銃殺刑で死ぬ。
幸吉の妻美代は、こどもを育てるために、行商をするが、警察にとがめられて、
「あたしの亭主はサイパンで玉砕したんだ。こんな国でこそこそ生きてたってしようがねえから、この子といっしょにここで殺してもらったほうが早ぇや、やりなよ、やらなきゃこっちがやるよ」
にほんブログ村