中国から帰ってきたナチュラルボーン拳王笹沢が目指すのは軽重量級の完全制覇であったが、ここには他の階級とは違った意味での強敵がいた。アレクセイ・コノネンコ先輩である。
そう、笹沢の前には常に強敵しかいなかった。それでも文句一つ言わず、むしろピクニック気分で戦うのである…どうかしている。
だが、それはスグルが望んだ道でもあったのだ。もちろん本人の意識の外、まさにナチュラルボーン武術。これは最強スタイルの確立の刻であった。
国内なのに一人世界大会に放り込まれた笹沢、日本に敵無しのナチュラルボーンだったが、この強敵を倒さねば道はない。いや、あってもなくても同じかも知れない。彼はもう安全な道があったとて
それをダイナマイトで爆破して、もう一度作って楽しむような生粋の変人なのだ。
2009年に初激突するも敗北、3年後二度目のチャンスが訪れた。
2012年全日本軽重量級決勝で再び対戦することになるのだが、これがもう最後のチャンスとは知る由もなかったのであった。
ナチュラルボーンパターンの歴史から読み解くと、このシチュエーションならきっと勝てる。
(^o^)「雨でも降るのかな〜♪」
この28年ぶりの吉兆に一切気づかず、ナチュラルボーン空道スグルにはただの雨雲に見えていた。
当日、いつものように適当に食事を済ませ
そして、いよいよ決勝へ勝ち上がったスグルは再びコノネンコ戦を迎えた。
この日の笹沢は神がかっていた。まさにナチュラルボーン空道最高の刻は来た!オーロラフォースとナチュラルボーン空道フォースが、ここで初めて融合した瞬間である。
術式展開 天然殺三日月!!!
スグルの生涯でも1番の破壊力の技が脇腹を刳った。
勝った…
のか?
(ガチのマジである、しかも唯一この時だけ)
しかし
スグルは
わりと直ぐに立ち直った。
(^o^)「もういいや、もっと強いヤツとやーろーっと」
実質獲ったに等しい階級を捨てたナチュラルボーンは2013年春、1階級アップの重量級出場。ここで優勝しての2階級制覇を狙う。
(これを書いているが、本人はもう、己が一度優勝したことすら忘れていたかも知れない。)
ここで中国での過食を超えるセルフ背水の陣をやるのであったが、もはや水戸黄門の印籠なみのテンドン、世界中のオーディエンスは、その術式に期待する。
(^o^)よし、計量前に牛丼を食べよ!
🤔「計量終わってから食べれば?」
🤔「何故、ここで牛丼?」
🤔「もしかして、アホなのかな?」
🤔「早稲田大学なのに?」
🤔「いや、やはり今回も深い戦略があると見た」
🤔「マジで?!!」
🤔「そんな深く考えてるかな〜?」
🤗「どちらにしても、これは必見やで!」
これは熱狂的な笹沢オーディエンスの間では「新日本プロレスVSUWFインターナショナル対抗戦」並の盛り上がりを見せ、テレビ、メディアで連日のように報道されていた。
しかし…
彼は、その熱狂的信者ですら予想出来ない、斜め上過ぎるとんでもない戦術を用意していたのだが、これは驚天動地であった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220924/07/kudo-shinagawa/f6/fe/p/o0724108015178875495.png?caw=800)
天然ゆえの無法、もう意味不明の領域である。
しかしこれは、早稲田大学卒業生の高度な知能と、世界トップレベルの天然から導かれた秘策でもあったのだが、笹沢自身は知る由もない。その秘策とは?
体重オーバーで、最初から効果1を背負うセルフ背水の陣SP
(^o^)「普段は階級下、あの人らとスピードとか違うから…。もっと重くしよ!オーバーはないでしょ(無邪気な天然)」
全日本選手権で自ら効果1を背負う…これは未だかつて地区大会ですら聞いたことがない。この男はそこまでやるのかと
これはさすがの笹沢でも不可能、最初に効果を一つ取りやっと五分、そこから更に明確な差をつけるなど全日本クラスの選手相手では相当困難な道…
(^o^)「ちょっとキツイけど、なんとかなるでしょ!」
(…と、いうのは、スグル本人はもちろん知らない。)
そして…
まさに死線を乗り越え決勝まで行き、暴挙からの快挙までラスト1、ついに王手をかけたのだが…
(またも)準優勝
次回 武術空手VSナチュラルボーン空道