
陛下の大御心に適われる師の大事は、《君に二政無く、臣に二朝無き神界の経綸、人倫の鎔範(ようはん)を示される》事である。
至公にして国士の常風こそ忠を以て君に事(つか)うる"臣·中化"の父なる神を慕われる心の何ものでも無い。
《既に在る。在るが故に有らしめられる。
師は、天界に存在する日本人の魂、原始共同祖先を神霊界に於いて捉えられる》。
《其の祖先の歩み来たりし大道は、親が子を思う比類無き"恩愛の情"の存する處》。
慈愛と叡智に拠って我が子を思う一念が、軈て民を治め国を安んずるに至る。
我等が原始共同祖先を、神として仰慕し孝を以て理(ことわり)と成す。
《子が親を思う心を以て祭政一致、億兆同心と成し、此れが禮に表れて神祇を崇(たっと)び祭祀を重んずる》。正に歓慶(よろこび)の核心。高貴にして尊し。
高尚にして、礼楽(れいがく)の知性を思う。
宜しく天下治まりて親子共に悦(よろこ)ばん。
《既に在る天界の神祀りを『事(じ)』として捉え、在るが故に有らしめられるとして、三次元現象界に此の事実を政治形態として移される》。
治国の大綱は理想国家日本の現成(げんじょう)に於いて、世界史の求めて止まなかった『天皇政治』…神政政治の日本民主主義が復活するのである。
「輝く到来社会を見せて置こう。
其れを筆の滴に書き留めて置く様に…」との白日様の斎場(ゆにわ)での指示は、遠い彼方の天界の構図の描写では決して無かった。
総ては中化神霊師の自内証(じないしょう)の秘奥の中で温められ育てられた、人類史の偉大な精神的遺産の何ものでも無かった。
師の悟りの深さの中に、途轍も無く広大無辺な生命の躍動が齎す『幽顕交流の世界』に広がりを示している。
自由無碍円融自在。
魂は果つる事無き永遠の世界で、逞しく息づいているのである。
師は自らの自内証の奥義を斯く語られる…
「《禅に拠って得たものは密教。
密教の秘鍵(ひけん)を開けば、日本的神霊の世界即ち神道である》」…と。
《無門の法嗣(はっし)、法燈禅の遺韻。
師に触れて初めて知る、日本人の悦びである》。
「懸け甲斐の無い天下の至宝である」と白日様は語られる。
軈て、師の尊皇の祈りが熱誠の愛国心に燃える時、紫宮は安らぎ、祖国(くに)栄える時と成る。
聴け!
師の遍く尊しと成される『統貫史(とうかんし)の法』を!
肇国(ちょうこく)より此の方一貫して周流(しゅうりゅう)し続けた日本国民の国民的発現を。
祖国を愛し、君国を富嶽の安きに置き、悠久二千六百有余年。
日本歴史は我等が祖先の歩み来たりし美しき山河。
誰が此の祖国を滅ぼさんとするや。
進んで荘厳なる理想へ向けて、子々孫々に至る彌栄えを、山松の千年を掛けて寿ぐ事こそ、日本人としての勉(つと)め也と。
師の至情は、愛国心を凛々として出立せしめ、天界へ向けて誓願成されている。
蹶然(けつぜん)として奮い立つ。
《凡そ個人と言わず、民族又は国家と言わず、自らを信ずる力を失う者は、滅びに至るものである》と、近代歴史学の祖と言われたランケの『ローマ興亡の盛衰史』に有る、歴史生命に対する確信。
其の《生存の理由》·《存在の価値》を明らめてこその『愛国心』。
師に於ける『愛国心』こそ、《五次元神霊世界に通ずる熱誠の祈り》以外の何ものでも無い。
私に執って、我が師こそ奮い立つ魂の尊崇の師。
恐ろしき龍虎の姿(し)。
厳然として御在します熱血の憂国の士(し)。
『天皇道』を明らめられる日本の天機である。
白日様の神歌が斎場の静寂の中で、軈て幕を閉じる頃、何処からとも無く、爽やかな天鈴が霊界を通して鳴り響き魂に浸(し)み入った。
軈て、東大寺夢殿に祖国の安寧を祈られた聖徳太子の鈴の音が、中化神龍師を通して再現されたものだったのだろうか…。
天鈴·地鈴がシャンシャン…シャンシャンと耳の底深く誘(いざな)い、己が天命を昂ぶらせるのであった。
平成元年二月十一日 建国記念の日
堀彌太郎景光末魂謹しみて筆録す (完)