午前、だんなに一本矢を放ったら、百本になって攻撃された。
些細なことを注意しただけになのに、
とにかく自分を正当化し、人を責めないと満足しない人だ。
あたいは普段なら何も言わないのだけど、
今朝四時まで飲んでて、ちょっと機嫌悪しだったために、
言わんでもいいことが口をついてでてしまったんよ。
「疲れてるみたいだから、家でゆっくりしてれば」
少しはフォローしようとしたのか、だんながそういったのだけど、
あたいは家に居たらクサってく。
眠いけれど、でかけたほうが元気になる
といって、用意をはじめた。
せんせにメールしたら、いきなり、
会社に来いだって。
そっかその手があったか。
まだカギはせんせの手の中に。
せんせはあたいを開錠してしまうカギもお持ちだし。
せんせはその気だな。
あたいは今朝はシャワー浴びないつもりだったけど、さっそく禊パート2。
土曜日のうちに洗濯して干しておいた、またまたイナダのピンクのフリフリ上下おそろの下着。
寒いけど、その上に薄手のカットソーに、
膝丈の地味目のスカート、
ストッキングは面倒だからはかず、ハイソックス。
秋コート羽織って。
午後からでかけていきました。
せんせに抱かれよう。
そのつもり
時間もたっぷり二時間あるし。
意外な伏兵はこの“時間”だったのれす。
わおー。
あしどりがゆっくりだったの、会社に向かうとき。
自問自答してた
まだ完全なる決心はついていない。
恐い。
“男”のせんせを知るのが。
“女”の自分を知るのが。
ケンカしたとはいえ、だんなの顔も浮かばないでもない。
いろんなことが怒涛のように押し寄せる。
鳴門のように渦巻く
あたいはくちびるかんで、肩に掛けたバックの紐を握り締めた。
そして、運命をせんせに委ねてみようと思った。
抱かれるのも抱かれないのも、せんせ次第だ。
他力本願だけんど、もうこうなったら念仏でも唱えるしかないんだわー
南無南無…
せんせのファミリーカーが、せんせの家族を主張する最後の砦みたいに、チャイルドシートつけたまま、
存在を主張してた。
あたいはそのクミコのにおいがぷんぷんする車も拝んでから、
ドアあけた。
逆光の影のせんせがいた。
よくみたら、あまりにいつもの会社でのせんせの顔でした。
なぜかほっとして、少しあたいも笑った。
つづく