せんせがいつも行く本屋に、今日行くつもりだ、と言ったら、「わたしも行きますよ」と。
思いがけずデートできることに。
しかも、何時まででもだいじょぶだよ、と。
「○ホで一晩過ごすように、予約しときますから」
あたい、最後のせりふは完全無視し、「じゃ、直接○○書房で落ち合いましょうか」と話すすめる。
こちらは何時まででもおっけーなひとじゃないんだす
で、ちょっと家のもろもろのことで遅くなってしまったら、せんせ、その本屋の最寄り駅まで迎えにきてくれました。
「どうしてきてくれたのですか」ってきいたら、「気持ちです」って。
いつからそんなに優しくなったんだろ。
あたいはそういう優しさに相応にはなかなかちゃんとこたえてあげられないよー
本屋に入ると、「またきましたー」とせんせ。
もう顔見知りですからね。
そこでは、いつものすましたせんせでした。
道を説く人みたいに。
でもメシくって、これからどおしようか、って時には、ちがう人間にひょーへん
ヘンゲっていっちゃー気の毒だけど、忍者屋敷の戸がバタンてひっくり返って、忍者が現れたり隠れたりするからくりみたいに、学究肌のせんせが消え、ただのエロオヤジ出現す。
だれもいない階段や、エスカレータで体寄せる。触ってくる。
やだぁー。いやそうでもない。
けど、わかわかしいそんなせんせに慣れない。
どこいこっかなーと思ってたら、ナイスアイデア!浮かぶ。
観覧車だよ。回る回る。
個室だし。高いとこだーいすき。
乗ったら中であんなことやこんなことできまっせーっておもってたんだけど。
あたいの好みの黒のトレーナ着たせんせに寄りそったけど、なんだかいがいと落ち着かず、ちょっとチュッてしただけでした。
せんせ、にこにこしながら、「なんだよー」って不満気でござった。
その後お茶をいたしまして、せんせに、この前怒ったこと、まだゆるしてくれてない?ってきいたら、「怒ってるよ。わたしは、根に持つタイプです。どうせケチです」って。
怒ってるというより、引け目感じてるというか、思うようにいかずいらだってるというか。
なんでも、借金してるんだって。
奥さんに!
ひとんちの経済事情まで知らんけどさ、せんせは本が好きで、今日もたくさん分厚いの買い込んでたから、そういうもの買うために借金したらしい。
クミコ、きっちり財布のヒモにぎってるのね。
きゅーっとしめるとことめてんだ。
ウエストもしまってるんかな?
それを完済したあかつきには、もう少し余裕ができるのだと。
でもさ、きっとまた大きなかいものしちゃうよ、せんせは。
いいんだよ、おごってくれなくても。
本とか、好きなものに、限られたお小遣いはお使いくださいな
ホテルなんてモッテノホカ。
帰りの電車では、前の座席にちっちゃい子がいたせいか、せんせはこどもの話ばかりしてました。
いっそう、目がたれさがってたよ。
父親の顔で。
そんなせんせに、キスしてほしいなんて思えなかった。
今日はナイルちゃんてよんでくれなかったしぃ。
「ちゃんづけでなんてよんでやらないよ」だって。
えらそー。
あした、またちょっこっと会えるかもしれません。
七変化するせんせ。
あしたのせんせはどの“顔”だろ