壁を飛び越し壺の中へ (至福のスープ⑰) | 九段の真希のパッチワークな日々

壁を飛び越し壺の中へ (至福のスープ⑰)

先週、ファチューチョン(佛跳牆)というスープを食べに行きました。


☆佛跳牆とは…乾物を主体とする様々な高級食材を数日かけて調理する福建料理の伝統的な高級スープ。
名前の由来は「あまりの美味しそうな香りに修行僧ですらお寺の塀を飛び越えて来る(あるいは仏さまが 禅の道を忘れてやって来る)」。
陶器の壺に十数種類の乾物を主体とする高級食材と水を入れ、数時間~数日掛けて煮込み(台湾式)、もしくは蒸し煮にして(香港式) 作られる。
店や使われる食材により味に違いが出る。
乾物の戻しや下準備に2,3日~1週間かかる為、事前の予約が必要。(Wikipedia等より抜粋)


普通のレストランの料理なら、客の都合の良い時に来店し、料理を注文することができるのですが、
この料理はシェフの方から「〇月〇日~〇日までの3日間だけ提供します。都合のつく方はその間に予約の上 来店してください」と予告が来る。

母の懇意にしている店で 予告があり、この料理を食べる為、母と叔母が泊まりがけで上京してきました。

と言ってもこの「佛跳牆」はコース料理の中のメイン料理で、その前後にも 幾つかの珍しい料理が供されました。

(「中国料理 古稀殿」中村岳二シェフによる晩餐 )

↓燕の巣(乾物)
↓戻したものがトッピングされている。
海つばめが集めた海草なんですけどね!。

昔は 漁師が命がけで崖に登って獲った高級食材だったのですが、最近は 海の近くに空っぽの高層アパートのような建物を建てて、そこに燕が来て作った巣を(ヒナが巣立った後に) “収穫” するようにしたので、安定的に手に入るようになったとか。

北京ダックの生春巻き
中華+ベトナム風。

メイン料理の「佛跳牆」は壺に入っていて熱々。
材料は、フカヒレ↑、干し鮑、干し貝柱、干しナマコ、干し椎茸、金華ハム、鶏肉、ウズラ玉子、クコの実 等々。

乾物は戻してそれぞれの下準備をし、壺に入れ、湯(タン…出汁)を注いで数時間蒸し煮にするそう (中村シェフの説明による)。←作り方を伺っても、自分じゃ作れないけどね~💦。

スープは茶色くトロミがあります。
濃厚な旨味があり、塩味もちょうど良かった。

ゆっくりゆっくり味わいました。

蟹炒飯に添えられたスープは、器に戻した昆布と金華ハムを細く切った物を入れ、目の前で湯(タン)を注ぐ。
シンプルな作り方ですが、これも美味しかったですね。


最近は 中国から来日される観光客が多いですが、この方々の日本で楽しみにしていることの一つが「中国料理を食べること」だそう。

中国には「中国料理(中華料理)」というものが無い。
とても広い国ですから、地方毎の「北京(内陸)」「上海(海辺)」「広東」「四川(辛い)」「福建」etc.の料理 になります。
しかし、日本では一つの店のメニューの中に餃子(北京)も 八宝菜(広東)も 麻婆豆腐(四川)も載っているし、海鮮も新鮮で安全な食材が普通に手に入る…ということで「自分の暮らしている地域以外の中国の料理が一度に食べられる♥️」というわけです。(*^。^*)

私の母は中国料理を研究するサークルに入っているので、珍しい料理を食べることにも貪欲。もちろん自分の店でもアレコレ作ります。

私も母の“お勉強” に付き合って、時々不思議な料理を食べに行くことになるのでした(笑)。


唐突だけど、フィギュアスケートの ボーヤン-ジン選手を思い出した…。


素材はとても良い物を持っているのに、「世界選手権 2018 (ミラノ)」では 実力が発揮できませんでした…。

その後 どうしたろう?と 心配してたんですが、
この度、正式にカナダの「クリケットクラブ」で練習を積むことになられたとか。

中国は なかなか才能豊かな選手を北米に留学させることはないのに、「壁を飛び越えた」わけですね。
優秀な選手が集まる「クリケットクラブ」は高級食材ばかりの「佛跳牆」の壺のようなものかなと思います (スミマセン)。

相乗作用で、より素晴らしく“美味しい”選手になってくれたらな!と思います。

o(^o^)o  怪我に気をつけて、頑張って欲しい~!。