遺骨収集活動に参加するきっかけ①(2005年の出来事)
私が、初めて遺骨収集活動に参加したのは、2005年の5月29日から6月15日。硫黄島においての遺骨収集活動である。
さて、その硫黄島の遺骨収集活動に何故参加しようと思ったかであるが、きっかけは、あるセミナーで、ある先生の講義を聞いたことにある。
そのセミナーとは、福岡を中心に活動を行っている、「日本の歴史に学ぶ会」の、「夜明けを創るセミナー」でのことであった。
その講義の講師の先生は、福岡県立太宰府高等学校教諭の占部賢志先生であった。
私は、この占部賢志先生の話を聴き、衝撃を受けた。
今までに私の中に味わった事無い感情、
「日本人として生まれて来て良かった」
「日本人である事が誇らしい」
そういった感情が、本当に生まれて初めて自分の中に沸き起こるのを感じた。
その時の講義の内容が、
「硫黄島の戦いと人間市丸利之助」であった。
そしてその講義を聴いて後、私の心の中に、「死ぬまでに一度で良いから、硫黄島に行って慰霊をしたい」という気持ちが強く起こったのである。
講義の始めに、講師の占部先生がこう言われた。
「硫黄島の歴史も、そこで何が起きたのかも知らない日本人は、恩知らずと言えましょう」
はっきり言って、私は恥ずかしい話であるが、その時、硫黄島がどのような島なのかも、どこにあるのかも、どういった歴史があるのかも全く知らなかった。
今でこそ映画、「父親達の星条旗」や「硫黄島からの手紙」が公開され、硫黄島がにわかに知られたが、それまでは、私と同じようにほとんどの日本人が、この「硫黄島」の事を知らなかったのではないかと思う。
そしてこの、一般民間人は立ち入る事のできない島の事については、今でもほとんどの人が関心を持ってもおらず、場所さえ知らないというのが現状であるのではないか。
まずは、私がこの占部賢志先生という超一流の人物に感銘を受けたことが、今現在でも遺骨収集活動に参加している原因となったことを記録しておきたい。
次には、その講義での内容に少し触れてみたいと思う。