気づいたら嵐山から随分と歩いていました・・・


ここは仏野念仏寺
仏野と書いて「あだしの」と読みます。



嵐山や嵯峨野の竹林の喧騒を抜け出して、仏野念仏寺がある奥嵯峨野まで歩いてくると別世界のような静寂に包まれていました。



仏野念仏寺には8000体以上の石仏があり、これらの多くは葬られた人々のお墓です。



このあたりは昔、風葬する習慣があり、やがて土葬に変わってから石仏を立てて供養するようになったそうです。



この光景、初めて見る人誰もが驚くのではないでしょうか。



仏野(あだしの)の『あだし』とは仏教の言葉で「はかない、むなしい」という意味があるそうです。
医療や食糧事情が乏しかった昔の人にとって死は現代よりはるかに身近であったと思うと石仏に手を合わせずにはいられませんでした。




心静かに石仏に手を合わせてから奥へ進むと小規模ながらも風情ある竹林があり、静寂の中ゆっくりと散策しました。



東京は今日、梅雨入りしましたが、仏野念仏寺を訪ねたときは、藤の花が咲き始めた春うららかな日であったことを思い出しました。
月日の流れは本当に早いものです。
ブログの更新をもっと頑張らないとですね・・・




毎年8月23・24日には数千体の石仏にロウソクを灯して供養する千灯供養が行なわれます。




仏野念仏寺からさらに奥へ進むと愛宕(おたぎ)念仏寺というこれまた風情あるお寺があるのですが、時間がなく今回は諦めることにしました。




奥嵯峨野・・・これほど心穏やかな一日を過ごしたのは久しぶりであった気がします。