駒込に行ってきました。


JR山手線と東京メトロ南北線が交差する駒込。
南の文京区側には六義園と高級住宅街の大和郷が、
北の豊島区側の一部は、武家屋敷跡に建ち並ぶ高級マンション、
そして人情味溢れる商店街と住宅密集地があります。
山の手と下町が隣り合わせの駒込。
東京で好きな街のひとつです。


今回訪れたのは豊島区側。
かつて「染井村」と呼ばれていた地域です。


周辺の大名屋敷・武家屋敷に出入りする植木職人が多く住んで
いたことから「植木の里」とも呼ばれていたそうです。



その「植木の里」である「染井村」を全国区で有名にしたのが


桜の代名詞である「ソメイヨシノ」です。
ソメイヨシノは染井村の植木職人によって作られた品種なのです。


江戸時代に染井村の植木職人が「エドヒガン」と「オオシマザクラ」を
掛け合わせて出来たのがソメイヨシノ。


一斉に咲いて、一斉に散る姿が江戸っ子の心をつかんで、
全国的に大ヒットしたのだそうです。


旧・染井村に鎮座する染井稲荷神社にもソメイヨシノの大木が。
1600年代に創建されたと伝わるこの神社のご神体は
「十地面観音石像」。
神社に観音様が祀られているのって不思議ですね。


染井稲荷神社からさらに北上した先には


染井霊園があります。


ここは江戸時代の武家屋敷の跡地に造られた霊園だそうです。


水戸徳川家、徳川十五代将軍・斉昭の生母をはじめ


岡倉天心、二葉亭四迷などの文化人がこの地に眠っています。



多くのソメイヨシノに囲まれて


穏やかなときが流れる春の駒込でした。




お花見のあとは、小松庵総本家へ足を運びました。
駒込に来る度に立寄りたくなる老舗のお蕎麦屋ですが、
今は新宿・渋谷などにも出店して手広くご商売されています。


二八そばもありますが、ここのおすすめは何と言っても
「生粉(きこ)打ち」と呼ばれる十割そば。
こののどごしと食感はやみつきになります。