穴守稲荷に行ってきました。
前回のブログで羽田の悲しい歴史に触れましたが、
現在羽田空港である場所から、西側のこの地に移ってきました。
鎮座するこの700坪の境内地は、たまたま空き地だった訳ではなく、
地元の崇敬者から寄進された土地なのだそうです。
本殿の右隣には鳥居がずらり。
素敵な雰囲気の朱色のトンネルが続きます。
規模が違いますが京都の伏見稲荷に行ったときのことを思い出しました。
鳥居をくぐり抜けた先には「お穴さま」と呼ばれている奥之宮があります。
たくさんの小さな鳥居が乱雑に放り込まれています。
その手前には御神砂が・・・。
この御神砂には、こんな由来があるそうです。
老人が漁に出て魚を釣り上げて魚篭に入れたが、中を見ると湿った砂があるだけだった。
翌日も翌々日も大漁となるも、篭をみるとやはり湿った砂があるばかりであった。
老人はいぶかしく思い、村人たちにこのことを話すと、村人たちはこれを狐の仕業として
稲荷神社を取り囲み、一匹の狐を捕まえる。しかし、老人は狐を許してそれを解き放った。
それ以降、老人が漁にでると必ず大漁となり、篭には多くの魚とわずかばかりの
湿った砂が残るようになった。老人が砂を持ち帰って家の庭にまいたところ、
客が途切れることなく訪れるようになり、老人は富を得た。
この御神砂には招福のご利益があるとされ、今も多くの参拝者を集めているのだそうです。
地元の方の努力により、未曾有の歴史を潜り抜け
見事、復興再建した穴守稲荷。
困難を乗り越えた分、地元の方に慕われているのを強く感じました。