あらためて
舞台『駆けはやぶさ ひと大和』
東京16公演
大阪5公演
計21公演と、全公演終了することができました。
ご観劇くださった皆様、本当にありがとうございました。
都合が合わず劇場に足を運べなかった皆様、
想いはカンパニーに十分届いておりました。
それだけでも僕たちは幸せでした。
本当にありがとうございました。
この《もののふシリーズ》には今回初参加で、そして最終章にして大事な役回りを演じるということで
1月上旬から一つ一つ大事に稽古をしてきました。
前作は劇場に観に行ってたから分かったけど
このシリーズは“伝える”ということを大前提に、大優先にしていて
狙っているのではなく、役者がそこにしっかりと“生きて”いるからこその熱量やエネルギーが多く溢れている作品です。
役者にとって舞台の上で“生きる”というのはとても重要かつ当たり前なことであり
ちょっとカッコつけているようにも聞こえますが
実際それがないとただ立って台詞を言っているだけになってしまいます。
ましてや今回僕が演じた〔榎本武揚〕は歴史上で実在していた人物。
生半可な気持ちで演じる事はできないし、とは言っても実際にお会いしたこともないし、どんな人物か分かるのは今となれば残っている資料だけが頼りになってしまうので、あくまで西田さんの脚本演出の元大切に演じさせて頂きました。
稽古ではシリーズ全てに出演している荒木くんやツネを筆頭に、的場さんや亀鶴さん、萩さんや越さんなどの大人メンバーの方達の深いお芝居に彩りを添えて頂き、アンサンブルの皆さんには僕たちにはカバーできない部分を絶対的な信頼度と絶対的な完成度で支えて頂き、素敵な作品に仕上げることができました。
そして主演の想太は前回共演した作品『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の時よりまた遥かに役者として成長していて
更に今回は主題歌まで担当していて本当に尊敬しました!
なんか上から目線ですみません。笑
今作は殺陣も多くあり
あの激しい立ち回りの数々で、誰も怪我をしなかったのは本当に奇跡に近いほど。
本番に入れば稽古とはまた違う空気が流れ、相手役者のボールをキャッチする楽しさが更に倍増します。
毎日同じお芝居をしていても、中身は全く違う。
だから劇中の“榎本武揚”が“エノキダケ タケノコ”になるのです。笑
いや、あれはただの西田さんの悪ふざけか。笑
これだけは本番初日の前日に急遽決まったことだったので全く稽古すらしていませんでした。笑
まさか“榎本武揚”から“エノキダケ タケノコ”に
そして“はにゅーゆずる”からの“榎本たこ焼き”
最終的には榎本マリオからのルイージて…
もう世界観……。w
全てはこ奴のせい
沖田総司役 山本涼介
ベースは“エノキダケ タケノコ”で統一されてたけど、中日を過ぎる頃にはだんだんと日替わりに。笑
東京千穐楽の時2人で軽くネタ合わせをしてたのに
裏で西田さんと事前に打ち合わせをしてたらしく
本番では全く違うことをブッ込んできやがって本当に焦った。笑
大阪大千穐楽ではその免疫があってまた絶対ブッ込んでくるだろうと思いながらも
涼介は「今回は本当に何も話してませんよ!」とキッパリ。
俺は怪しいと思いつつも本番に挑むと
やっぱりブッ込んできやがった!笑
それが噂の「榎本マリオ」誕生の瞬間w
いや髭面やからって…!w
からのルイージはもう世界観w
ともかく、あの真剣な殺陣終わりのシーンでの
あの落差のあるボケシーンは気持ちと呼吸の切り替えが追いつかず大変でした。笑
アドリブシーンといえば
というかアドリブシーンでは全くないんやけど
大阪大千穐楽、宴のシーンで祝いの3つの言葉を言うところがあるんだけど
いつもの流れだと榎本が1つ目を言おうとした時に土方に「長いからいい!」と言われ、止められる設定で
でも大千穐楽では、西田さんが開演前に俺に一言。
「あらやんには、榎本が言おうとしてるところを止めずあえて言わせるように言ってあるから、3つの言葉を言って最後はなんとかまとめて。」
と半分投げっぱなしのように言われて
そのまま本番が始まってしまいました。
いやー…焦ったよね。笑
だから荒木くんにはあのシーンで俺が本当にテンパると思わせといての逆ドッキリw
しかし荒木くんはこのシリーズを初期から作り上げてきてもらってたから
今までの作品や今作含め、感謝の気持ちをも込めた言葉を俺なりに最後に言いたかったから
あんな感じになりました。
帰りの新幹線で荒木くんに
「あそこなんだったの?笑」
と言われ
「西田さんに言われました笑」
と言ったら
『ヤラレター!』という感じで笑ってました。笑
兎に角、本当にこの作品は楽しかった!
携わることができて心から感謝します。
《もののふシリーズ》はこれで終わってしまったけど
またいつかどこかでお会いできるのを楽しみにしています。
連日満席の劇場。
当日券、キャンセル待ちの長蛇の列
約3時間もある上演時間にもかかわらず立ち見で観て頂いた皆様
本当にありがとうございました。