猫パンチのサーブを正す | 窪田テニス教室

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皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


まず、猫パンチのサーブとは、どんなサーブか?

・グリップの持ち方が、コンンチネンタルグリップではなく、フォア側に厚めのグリップ。

・打球位置がネットよりで低く、打球後、足元までスイングは速い。スイング終わりでラケットは身体の後ろまで行く。


・上から叩き落とすような右腕の動きになるので、スピンサーブが打ちにくい。スピンサーブは打てなくはないが、手首の小指側を怪我しやすい。


・身体がネット側に向いたときに打球しなければならない。これはそのままの動きでは、深いロブに対するスマッシュはできないということ。コート後方に移動しにくいから。コート後方に移動できても身体をネット側に向ける時間がない。


・打球直前、ラケットフェイスは上向きになり、打球直後、ラケットフェイスは下向きになる。大外れのミスをします。1メートルアウトをしたり、ネットの中段よりも低い位置にネットミスしたり。


・見た目が悪い。素人感が強い。猫パンチでも上手く打球できれば球威はあるので、その球威に気をとられるとこのことに気づかない。


(他にも特徴はありますが、今回はこのぐらいで)


この猫パンチの動きをしている生徒に対して、

・もっと身体を回転させなさい。

・もっと高い位置で打球しなさい。

・足の曲げ伸ばしを使って打ちなさい。

・(右腕の)前腕や肩の回旋運動を使いなさい。


というアドバイスをしてしまうコーチはダメです。世界のコーチの9割以上がダメということになるかな。

それらは、効果がないどころか、動き(結果)は悪くなります

それらのアドバイスは猫パンチの動きを助けません。邪魔します。

では、なぜコーチたちは勘違いしてしますのか?

コーチは、コンチネンタルグリップでサーブを打っている(猫パンチではない)からです。

コンチネンタルグリップでの「やったほうが良いと考えている動き」を生徒に矯正強制しているだけです。

フォア側に厚めのグリップでサーブを打っている生徒に対して、「もっと肩の回旋(内旋、外旋)を使いなさい」「もっと前腕の回旋(回内、回外)を使いなさい」となど言ってしまうコーチはダメです。

こんな初歩的な間違いをするコーチは10年以上前からとても多いです。まあ、一番ダメなのは、「何もアドバイスしない」というコーチですが。

コーチを選ぶときの判断材料にどうぞ。


サーブを正しく教えたいなら、

まずは生徒のグリップをコンチネンタルにして、右腕(胸から手先まで)の動きを教えてください。

右腕の動きを教えるとは、コンチネンタルグリップでのボールの触り方を教えるということです。

「コンチネンタルグリップでのボールの触り方を教える」とは、どういうことか?

「コンチネンタルグリップの動きを教えればいいだけだろ!」というのは考えが甘いコーチです。動きを教えたことがないコーチの典型。

フォア側に厚めのグリップで打つ動きと、コンチネンタルグリップで打つ動きの違いを教えるということです。

動きを教えるとは、動きの違いを教えるということでしかない。

(ちなみに、「動きが上手くなる」とは、動きの差異を知るということです。


どうして腕の動きから教えるのか?

足の動きは、腕の動きを自覚するときに邪魔だからです。

もちろん、これはケースバイケースです。

足の動きが腕の動きを矯正することは多いですが、今回のようにフォア側に厚めのグリップでサーブを打っていた生徒は足の動きを混ぜるとダメです。

足の動きは強烈です。少しの動きでも、腕の動きを大きく変えてしまいます。無意識に腕が動かされてしまう。腕の動きを覚えるとき、これが厄介。今までやっていたほうの動き(猫パンチ)に引かれていきます。

どんなに足の動きと腕の動きが正しくても、その両方を使うタイミングを間違うとただの下手な動きになります。

腕の動きを教え、その腕の動きがそのまま出来る範囲で、足を少しずつ動かしていくやり方が一番良いです。このやり方は怪我が少ないです。

「腕の動きが崩れない程度に、足を動かしてください」「腕の動きが崩れたなら、足の動きを抑えてください」というやり方で、正しい腕の動きを守ります。


サーブを教えるときの参考にどうぞ。