「余裕があるとき」「ボールが来る場所の予測が当たったとき」は上手くいくが、「咄嗟にやると間違ってしまう」というレベルのテニス愛好家は多いです。(ここでの「咄嗟」とは、慌てる、焦るといったもの)
レッスンでも、このレベルまでいくのは簡単です。ここからさらに改善するのはとても難しくなります。
慌てたり、焦ったりしてしまう人に対して「慌てるな!」「焦るな!」「落ち着け!」と言っても、何の解決にもなりません。
そんなことよりも具体的に「何がどうなっているのか」「何をどうすれば良いのか」を何度も伝えるだけです。
慌てる状況、焦る状況を作って何度もやらせる。例えば、「フォアに行きますよ~」と言いながらバックにボールを出したり、スマッシュの練習をしているときにいきなりローボレーを打たせたり。
私は事前に「動き出しだけは、必ずやるように。動き出しができなければ、打たなくても良い。」と伝えています。とにかく、動き出しが大事だということを念頭に。
それから、動き出しを失敗した瞬間、間違っていることを伝えます。
「短い言葉=キーワード」を使う必要があります。
間違った瞬間に伝えないと効果的ではない。(これは過去記事「打ってる最中にアドバイスを」も参考にどうぞ)
特に、咄嗟の動きを改善させたいなら、これは必須です。
「咄嗟の動き=反射的な動き=無意識」
これを、素早いアドバイスで、(一旦)意識させます。「間違った動きをしている」ということを自覚させるのが第一歩です。意識できないことを改善させることはできないからです。
間違った動き出しをしはじめたときに、キーワードを言いはじめるようにしてください。
そんなの無理?
できるはずです。
その動きをさせたのは、その前の動き(又は姿勢)だからです。その動きの直前の動きを注視してください。(この内容は過去記事に何度も書いています。ブログ内検索してください。)
この見方ができれば簡単。
なぜなら、咄嗟の動きの失敗は、毎回同じ動きの失敗だからです。
「咄嗟の動き=反射的な動き=無意識に動いてしまうこと」に、複数の失敗はない。
例えば、ビックリしたときの声や動きは毎回似ているでしょ。各人に違いはあるけどね。
意識すると(無駄な)動きの数は増え、無意識になると動きの数は減る。
無意識にやってしまう動きは、良い動きにしろ悪い動きにしろ、同じ動きになる。これを「癖」と言います。
咄嗟のミスを改善させるのは難しいが、ミスを見抜くのは簡単なのです。
咄嗟を、咄嗟に切り返せ!
咄嗟の動き(動き出し)に関しては、過去記事に良い動きだけでなく、悪い動きも書いているので参考にしてください。生徒の動きが見やすくなるでしょう。