イレギュラーバウンドに対応するには | 窪田テニス教室

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皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


以下、過去記事「球感」についての質問コメントです。


2. 予想以上に跳ねた球の対処
関連する話なので書かせていただきます。
伸張反射を使ったフォアハンドストロークに関する私の課題です。

ある程度勢いがあるボールが予想よりも少し高く跳ねた時に、詰まってしまう(少し食い込まれる、打点が遅れる、伸張反射が起きる前に打点を迎える)ことがあります。この症状が起きると、詰まっているのに回転がかからずに大きくアウトします。

この症状は、ボールの高低に関わらず、予想よりも高く跳ねた場合に発生します。
予想よりも少し低い場合は対応出来ますし、伸張反射を使わなければ、予想より高く跳ねてもアウトは(回転が多くなりますが)回避出来ます。

この症状を避ける何か有効な方法がありますでしょうか?
「可能な限りラケットを立てた状態を維持しよう」という意識が邪魔しているのか、それともラケットを立てている位置(今は両肩のラインよりも10cmくらい前)をもっと後にするべきなのでしょうか?余裕が無い場合は身体を回さない?もっと腕を遠くで使う?もっと力を抜く?色々やっているのですが・・・
症状を具体的に表現出来なくて申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
余命100年 2014-07-01 12:25:34


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変ですね。

右腕が伸張反射をしてラケットヘッドが上がり出すときは、面はコートに対して右向きか右斜め下向きになっているはずです。だから「詰まって=振り遅れて」というときはアウトではなく、ネットミスが多くなるはずです。


以下は、この手のミスをする人の特徴です。悪い例です。当てはまることがないかをチェックしてください。


・フォアハンドストロークの構えをした後、右手首がボールのほうに向かっていないのに、いきなり伸張反射を使う

これは二度引きになります。「振り出し=伸張反射」ではありません。

振り出しても、伸張反射を使わない「間」があります。

その「間」は、「ボールの軌道にラケットを合わせること」と「右腕を落として休める時間を作るため」にあります。



・身体の開きが早い=右腕が遅れる

フォアハンドストロークの構えをした後、ラケットを振り出すと同時に身体がネット側に向かってしまう人は、意識することなく面を上向きにすることがある。

試しに、右腕を身体に対して右斜め前に出してください。高さは腰から胸の高さです。

その状態から、身体を鋭く左側にターンします。その身体のターンと同時に、右掌をその位置で上向きにしてください。このとき右腕は身体に対して右側になります。

この動きでボールを打つ人は多いです。これはこれで「動き」としてはつながっています。ですが、ボールを打つための動きとしては難がある。「下手な動きのやりやすさ」です。

右腕は、身体に対して右斜め前から右側に動いています。この後、右腕は打球するために身体の前を通って身体の左側まで行く。

この急激な右腕(=右肩)の切り返しはダメです。手先の感覚が消えます。切り返しの重みは強い筋力を必要になります。面がどうなっているのかが自覚できないことが多いです。(「力を入れると感じない」でブログ内検索してください)


・顔が前を向く

これも身体の開きが早いためにやってしまう間違いです。

「身体を開く→右腕が身体に対して遅れる→右腕が重くなる→片足を踏ん張る」ということです。

右腕を身体の左側まで引っ張るとき、顔は左肩のほうを向いたほうが力任せにやるには都合が良い。

正しくは、伸張反射を使った瞬間、顔は身体に対して正面か右肩のほうに向きます。これは、右腕の伸張反射を促します。右腕とラケットを振り抜いていき、身体の左側まで来た後に顔はボールのほうに向ける。

要するに、打球直後はボールが見えないのが正しいということです。

打球直後からしっかりボールを目で追える人は間違いです。壁打ちやボレー対ストロークばかりやっている人はこの癖がつくことが多いです。打ったボールの返球が早いため、それに間に合うようにしようと一生懸命ボールを目で追います。

注意)腕の使い方が悪いまま、首だけ正しくやろうとすると怪我をするので気をつけてください。身体の変化は全体で一つ。

その他は、右腕の伸張反射が間違っているかもしれません。それは長くなるのでここでは書きません。過去記事を検索してください。


上記のことに当てはまらない場合は、他に問題があります。もっと詳細を書いていただければわかるかもしれません。


まずは、右腕が伸張反射を起こす前に、右腕(ラケット)をボールのほうに近づけているかをチェックしてください。

この動きを常にやっていれば、予測より高くなったボールにも対応できます。

コツです。

打球しながら右腕を上げないことです。

ほとんどの人が、「ボールが高くなった=腕を上げてラケットを上げなくては」と考えます。

そうではなく、「ボールが高くなった=腕を落としてラケットヘッドを上げなくては」と考えると良いです。

思ったよりもボールが高く跳ねた場合、右手首を左腰まで一気に落とします。それでラケットヘッドは急激に上がります。「ラケットヘッドが上がる=面はボールに向かって開く」


筋力を使うなら、できるだけ下に向かって使うというのが基本です。

緊急のときは筋力を使っても良いのです。その筋力を使う向きをどうにかして下向きにできないかと考えるのが練習です。そんなときのために、力を抜いて動いていたわけです。


ボールに近づけた(この場合「上げた」)右腕を左腰まで落とすので、力の流れは下です。

下手な人は、前腕が固まったまま手首をさらに上げようとします。

それから、伸張反射で切り返された右前腕も親指を下に向かって落とすので、力の流れは下になります。

下手な人は、人差し指から小指までの指を上げようとします。



参考までにどうぞ。