回り込んでフォアを打つ 2 | 窪田テニス教室

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皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


以下、過去記事「回り込んでフォアを打つ」の続きです。

この動きは基本的に高いボールを打つときです。(回り込んで打つわけだから、それなりに高いところを強く叩かないとね。たまに、わざわざ回り込んで、ゆる~いボールを打つ人がいるけど、あれは何だろう、、、、)


回り込んでフォアの構えをするまでのフットワークは、大きく別けて4つあります。

1、その場でターンして打つ

正面のボール、短い距離の移動で使う。

過去記事「回り込んでフォアを打つ」を参照してください。以下のフットワークも構えのときは、これを使う。

2、身体をターンした後、後ろ向きに移動して打つ

短距離の移動で使う。

お尻をコートに対して左側に向けて、後ろ向きで移動。長い距離には向かない。

身体はコートに対して右側に傾けたまま移動するように。身体を真っ直ぐ立てたまま後方に移動すると、転ぶことがあるので注意。実際に転んだ人はけっこういます。


3、サイドステップして打つ

短距離から長距離までの移動で使う。

サイドステップで移動し、その最後のステップを構えにつなげる。

これが最も使いやすいでしょう。

その理由は以下の通り。

・サイドステップをしているとき、「間に合わない」と思った瞬間、バックハンドに変更できる。(これは重要です。できないときに、その対処法があるかどうかで大きな違いが出ます。)

・オープンスタンス(構え)に近い足の状態で移動できる。


4、ダッシュして振り返る

長距離の移動で使う。フォア側に移動した後などの長い距離を移動する場合です。

バック側に短く高めのボールがきたときに使う(距離はあるが時間的に余裕があるとき)。

まずは、(バック側にきた)ボールに対して、正面を向いて走ります。

移動した瞬間、どれだけ加速できるかが大事(初速が命)です。

移動開始した位置と構える位置の中間までしか加速しない。中間以降は惰性で移動するように。それ以上の距離を加速に使うと、構えの足を作るのが難しくなる。

ボールに近づいた瞬間(まだ追い越してない)、身体をコートに対して正面向きにターンする。ここでサイドステップ、又はクロスステップを使う。これは「減速=足の微調整」になる。

その後、ボールの左側に身体を移して構える。構えは、ブレーキになる。

移動を優先にして、構えは先延ばしにするということです。



次に、構えたときの右足についてです。

ほとんどの場合、構えたときは右足の踵体重になります。

でも、爪先体重のほうが使いやすいこともあるので、そのことについて説明します。

爪先で身体を押すと、身体はどこに向かうのか?

爪先側で地面を蹴ると、身体は上に向かいます。さらに強く蹴ると身体は仰け反るようになります(過去記事「プリッと」を参照してください。)

背骨を反らさなければ、身体は後方に向かいます。


爪先で地面を蹴ると、身体は上から後方の範囲に移動しやすい。


回り込んでフォアを打つとき、これを使うことができます。

回り込んでフォアの構えをしようとしたとき、「ボールが近い=移動が足りなかった」と気づいているなら、爪先体重で構えると良いです。

右爪先で地面を蹴って、自分に対して後方(コートに対して左側)に移動しながら打つことができます。

打球時、身体がコートに対して左側に倒れ、右足がコートに対して右側に少しだけ上がることがあります。これは薄めのグリップの特徴です。(肘を伸ばす打ち方だからです。この辺は過去記事に書いています。ブログ内検索してください。)


もう一つは上記「4」のように、素早い移動にブレーキをかけるときに、爪先体重を使うことがあります。

この場合、構えたときの、身体の傾き(コートに対して右向き)は大きく、スタンスはオープンだがクローズに近くなります。ただ、打球後も身体をコートに対して左側に流すことが前提なら、それほど身体は傾かないでしょう。

それから、このとき右腕の引きを浅くすると身体の重みは釣り合い、そこからのスイングも楽になります(ボールの軌道に近いところにラケットをセットできる)。

これは、過去記事「フォアの右肘」「フォアの右肘2」を読めばわかります。


右足の踵体重で構えた場合も、「ボールが近い=ボールから離れる必要がある」と思ったときは、右爪先に体重を移して移動すると良いです。

これには2つの打ち方があります。

爪先で蹴ってコートに対して左側に行く直前、コートに対して右側に身体を落とすことです(ほんのちょっとだけですよ)。

「左に行きたいのに、右に使う」というのは、反射を使うということです。

ボールが身体の近くにきているのに、これをやるのは勇気がいるかもしれません。一瞬ぶつかりそうになるからね。

でも、反射だと間に合います。

右足で地面を蹴って身体を浮かし、右足が身体の後ろ側を通ってコートに対して左側に向かう最中に打球します。

これは、「移動→打球」ではなく、「移動=打球」にするということです。


もう一つは、左足に体重を移した後(このとき右足は踵は地面に接し、爪先が上がる)、打球します。これは、「移動→打球」です。


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この記事で一番伝えたいことは、

どの動きも、その状況によって、その善し悪しが決まる。

ということです。

このことは過去記事に何度も書いていますね。

これが運動の面白さです。