ベストを尽くすとは 2 | 窪田テニス教室

窪田テニス教室

皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


過去記事「ベストを尽くすとは」の続きです(これを先に読んでね)。


「ベストを尽くすとは、自分の理想を無理やり押し通すことではなく、そのときの、その状況に、順応するように努めるということです。」と書いてます。

そのためには、そのときの刺激の差異を知ることからです。

下手な人は、どうしても力が入ります。

はじめから良い結果を出そうとしなくてもいいですよ。

上手く動こうと努力する前に、上手く感じなければならない。

何を感じるのか?

まずは、重さの向き(鉛直方向)を感じることができる程度に動いてください。

例えば、腕を上げるにしても、ジャンプするにしても、下を意識した後にやる、又は下に動いた後に動き出すようにする。

これはレベルを問わず、参考にできることです。

その上、怪我をする確率はかなり低くなるでしょう。


下手な人は、自分が余計な筋力を使っていることに気づいていません。

いつも自分の動きを疑うことが大切です。

「下手だから疑うこともできない」というのは、わかりますよ。

だから、その疑い方を、これまでにたくさん書いてきました。過去記事を読んでね。


それから、

良い結果が出せても、疑ったほうがいいです。

上手くできる状態など長続きしません。

長続きしない理由は、「技術が間違っていた」ということだけではありません。

周りの状況が常に変化するように、自分の身体も常に変化するということです。

昨日の自分と、今日の自分は違います。

自分(意識)では気づかないだけです。

身につけた技術は変わらなくても、身は常に変わり続ける。

「身」には、成長と老いがあります。

それに、そのときのコンディション(食事、睡眠、緊張、疲労、怪我、病気、障害、やる気など)も、身に影響します。

だから、上手くなっても、毎日の微調整が必要なのです。


久しぶりにテニスをする人が、「感が鈍った」とよく言い訳します。

でも、そのほとんどは、身体が変わっただけです。

技術的な変化(後退)はほとんどないです。

「以前はできたのに、なんで?」「打ち方忘れてしまった」などと言っているテニス愛好家もいますね。

いやいや、あなたは以前からずっとその打ち方でしたよ。

テニスしていなかった期間で、筋力が落ちたのに(脂肪がついたのに)、以前と同じ感覚でできるはずはない。

以前の自分ではないので、当たり前です。

そんなときに、過去の結果を求めないようにしてください。

「以前はもっと~だったのに」などと考えない。

結果に差がでるのは、仕方がないことです。

いつも力任せに動いている人が、久しぶりに動くと怪我をしやすい。

筋力があるときの結果を、筋力が落ちたときに求めるからです。

そのときのパワーの差を穴埋めしようと力を振り絞り、無理やりやってしまう(このときの怪我が多い)。

これは、そのときの、そのままの自分を大切にしていない、ということです。

そのときにあるもので十分。(足るを知る)

「ベストを尽くすとは、そのときの、その状況に、順応するように努める」と書きました。

「その状況」とは、そのときの、自分の身体も含むということです。

「今日は、こうしたい」「前回よりも良い結果を出したい」と理想を求めるのではなく、「今日は、どんな感じですか?」と自分の身体に訊き続けながらやるのが最善策です。

これが、そのときの、そのままの自分を大切にするということです。

それに集中できれば(興味が持てれば)、「スランプ」「好不調」などはなくなります。

それらは、過去に対して、又は他人に対しての比較だからです。

「過去の自分と今の自分」「自分の結果と他人の結果」などを比べて、自分を追い詰めても何の解決にもなりません。

「焦る」「イラつく」「不安になる」「自分が嫌になる」というように、ストレスになるだけです。(それでも、やる気を維持できるという人は、こんなブログなど読みません)

毎回が、「新しい自分」ですよ。


私は、このことをテニスを通じて知りました。

生徒を見ていると、「昨日できたのに、今日はできない」「昨日できなかったのに、今日はできる」ということが毎回起こる。

たった一日で全く違う生徒になっている。

そのときの自分は、そのときにしかいない。

「万物流転」「諸行無常」ということ。

そんな「自分」に愛着が湧きませんか?

ベストを尽くすとは、過去の自分にとらわれず、今の新しい自分を大切にするということです。