「それは手打ちだからダメ」「腕に頼った打ち方はダメ」「腕だけで打つとケガをする」という言葉をよく聞きます。
手打ちは、どうしてダメなんですか?
腕に頼ると、どうしてダメなんですか?
腕だけで打つと、本当に怪我しますか?
どっから、どこまでが、手打ちで、
どっから、どこまでが、何打ちなんですか?
手打ちって、いったい何んですか?
それを説明できないのに、「手打ちはダメだ」と言わないでください。
その説明を明確にしないと生徒は誤解します。
いいですか、
現実的に、腕だけを動かして打つことはできません。
腕は、胴体につながっているし、胴体は足や頭につながっています。
身体の変化は、全体で一つですから、腕だけの動きは不可能です。
腕の筋力で打つのが、ダメではありません。
腕の筋力は、絶対に使います。
腕の筋力で打つことに問題があるのではなく、腕の変化に問題があるのです。
例えば、フォアハンドストロークの構えの場合、
・右脇には、空きがある
肘に空きがあるということは、腕は高くなっている。
・右肘は曲がっている
肘が曲がっているということは、手先は高くなっている。
・ラケットは、立っている
立っているということは、ラケットフェイスは高くなっている。
ラケットは高くなっています。
これらは、ラケット(腕は)を振る準備というよりは、ラケットを落とす準備になっているということです。
この状態なら、身体の向きを変えたり、足の曲げ伸ばしを使ったりしなくても、落としただけで、ある程度のパワーを生むことができる。
もっとパワーを出したければ、ラケットが落ちはじめた後、下に向かって筋力を使えば良い。
プレーしていれば、
・身体を回せないとき
・踏み込めないとき
・足の曲げ伸ばしを使えないとき
・体重が、後ろ足にあるままで打つとき
・後方に移動しながら、前方に打たなくてはならないとき
などがあるでしょ?
そんなときは、こうやって腕を落とすことで、ラケットを加速させて打つ。
これは、手打ちですか?
「手打ちは、ダメだ」と生徒に言うなら、
「それらの状況で、どうやって打てば良いのか」の説明ができるようにしてください。(上記以外の方法でもね)
ーーーーーーーーー
生徒が打ち合いしてるのを、よく観てください。
中級以下のレベルでは、身体を回して打つことは、ほとんどできません。
(上級者でも、上級者同士の打ち合いなら、相手も良いショットを打ってくるわけですから、身体を回して打つことは難しくなります。)
どうして、身体を回すことばかり教えるのですか?
指導者だけでなく、テニス雑誌も、
身体を回す=YES
手打ち=NO
と、なり過ぎです。