先日、いつもレッスンをやっているコートで、Jrの試合をやっていました。
指導者らしき人が、子供達に「ベストを尽くせ」と言っていました。
・ベストを尽くしたら勝てる
・今までの最高のプレーができるように
・教えた通りの打ち方をしっかりやればいい
などなど。隣で聞いていましたが、考え方が違うと思ったので、
私が思う「ベストを尽くす」を一つだけ書いてみます。
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ベストを尽くすとは、今まで経験した最高のプレーを、再現することではない。
最高のプレーをしよう、なんて考えると、
・緊張する
・力が入る
・結果が気になる
・動き方(フォーム)が気になる
・無理矢理やってしまう
こんな状態では、良いプレーなどできません。(そんなことは、誰でも経験的に知っているはずです。)
大切なことが抜けるからです。
それは、そのときの、その状況で、得ることができるはずの刺激の差異を、受信することができないということです。
過去記事に、
感じないものを、コントロールすることはできない(力を入れると感じない)
そのときの状況に合わせて、身体を変化させることが大切(腕を伸ばしたほうがいいのですか?)
と書いてます。
ベストを尽くすとは、自分の理想を無理やり押し通すことではなく、そのときの、その状況に、順応するように努めるということです。
「やりにくかったけど、自分の理想の動きを頑張ってやりました」というのは避けてください。
それは、ただの無理やりですから。
「それが、できないときは、それをやらない」というのも、ベストを尽くすことです。
何もやらないってことではありません。
そのときに合わせて、やり方を変えていくということです。
例えば、
・ラケットを、大きく振り抜きたいけれども、振り遅れているなら、振り抜きを小さくしても良い。
・踏み込んで打てないなら、踏み込まなくても良いし、逆に、足を引いて打っても良い。
普段から、そういう練習をしていたかどうかです。
「振り抜く」「踏み込んで打つ」というのが成功で、「振り抜きが小さい」「踏み込めない」というのを失敗と決めつけて、
苦しいのに、もっとしっかり「振り抜こう」「踏み込もう」としないように。(過去記事「問題を解決しなさい」を読んでください)
(それから、試合のやり取りでいくと、自分のベストショットが、フォアのクロスだとしても、それを切り返すのが、相手のベストショットということもあります。やはり、状況に合わせることが大切です。)
最高のプレーをしたいと思うのは良いですが、それを目指して動くのはダメだということです。
ラケットを振ったところに、ボールは飛んでこない。
ボールが飛んできたところに合わせて、ラケットを振る。
当たり前ですよね。
そのときの動きは、そのときの状況が決めるということです。
この記事の最初に書いた指導者らしき人は、「そのときの状況を無視して、自分の理想を追いかけろ」と伝えていたようなので、なんだか気になりました。