バックボレー 2 | 窪田テニス教室

窪田テニス教室

皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


バックボレーが下手な人は、右手ですべてをやろうとします。

例えば、ラケットをボールのほうに、

用意して、

それから、引いて

振り出していく、又は振り出している途中で止める

というようにね。

・用意=身体の左側に持っていく

・引く=身体に対して後ろ側、又は、コートに対して後ろ側(両方をやる人が多い)に引く

・出す=ラケット自体を出すというよりは、ラケットヘッドを出す(グリップはあまり動かさない)

・止める=ラケットが、ネットに対して、平行になるようにする


これを片手にやらせるのは酷ですよ。

いろんなタイプの下手な打ち方がありますが、その中でも、この打ち方が1番ダメです。

ケガをしやすいからです(右肘の外側が痛くなる)。

ラケットの急激な方向転換(=重さの移動)に耐えきれなくて、ラケットを振り回してしまい、面を安定させることができない。

振り回しているだけに当てにくいし、当たっても面が安定しないので大ハズレする(たま~に、ビックリするぐらい速いボールでエースをとる)。

「バシッと面を止めれば(弾くようにすれば)、速いボールが打てます」という人がいます。

確かにボールは速くなります。

ラケットを、大きく引いて、ボールに当たった瞬間、急激に止めるということです。

一気に動き始めるよりも、一気に動きを止めるほうが、より強い筋力を必要になる。

腕を急激に止めるって、大変ですよ。

まず、5、6歳の子供はできないですね。

これがやりやすいという人は、

・筋力がある人。ラケットを急激に止め続けても疲れない筋力がある。

・太っている人。これは、ラケットと身体の比重です。太っているということは、腕は重いということです。ラケットは、その腕に対して軽いということになる。
(例、300gのラケットを25kgの子供が使う場合と、300gのラケットを100kgの人が使うのは違う)

その他には、

「太ってもないし、筋力もそれほど強くないのに、速いボールが打てる」という人もいます。

これはグリップが違います。

コンチネンタルグリップではなく、バック側にズレている。

ネットの近くで、叩くボレー(ポーチなど)はできますが、その他はすべてやりにくい(ドロップボレー、アングルショット、ハイボレーの深いやつなど)。

特徴は、親指を立てて持つ。肩の動きよりも、肘の動きで打つ。

これも怪我をする人が多いですね(親指の付け根、肘)。


それでは、ラケットを引いたらダメなのか?というと、

そんなことはない。

ラケットを引いたほうが、打ちやすい場合があります。

たとえラケットだけの動きは正しくても、身体の使い方によっては、効率の悪い動きになる。

バックボレーで、ラケットを引くことはあります。でも、片手で引くと不安定な上に、強い筋力が必要になるということです。ただ、「できないことはない」というのが、ややこしくさせます。

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片手のバックボレーといっても、右腕だけが動いているのではありません。他の部位も、それなりに動いています。

身体の変化は、全体で一つです。

アドバイスは、右手以外のほうが多いです。

右手のアドバイスをするよりも、左手の動きや足の動きを教えることで、右手の動きを誘導したほうが矯正しやすからです。


そのうちの一つを書きます。

バック側(自分の左)にボールが飛んできたとき、

右手で、ラケットをボール側に持っていくのではなく、

移動+左手で、ラケットをボール側に用意する



構えからスタートします。(「ボレーの構え」を読んでね)


ラケットを持った右腕を、ボール側に動かさなくても、

身体を、ボール側に傾ければ、その身体が傾いた分の距離は、ラケットも移動させられたことになる。

その後、ボール側に1歩移動できれば、その1歩分、ラケットはボール側に移動させられたことになる。

「身体を傾けている+移動している」ということは、ラケットが動き出しているということであり、その間右手は(位置的に動いているのに)まだ休んでいるということでもあります。

移動している速さ分の勢いしかありませんが、それだけでもボールを打つことはできます。

歩いていて何かにぶつかったら、痛いでしょ?意外とパワーあるんですよ。


「移動したが、ボールはもっと遠かった」というときがあります。

そのときは、左手でラケットを、ボールのほうに持っていきます。

右手はグリップに触れている程度の弱い力です。

左手が、ラケットと右手を、ボール側に持っていくという考えが良いです。

このときも、右手は休むことができます。

右手を使いたいなら、使う直前まで、徹底的に休ませるということが大切です。


注意することがあります。

ラケットを両手で用意する人は多いです。

でも、偽物も多い。

「ラケットに左手を添えたまま、ボールのほうに用意して」といっている指導者は多いです。

でも、これは違います。(構えのときなら良いですよ。次に使うのは、左手ですから)

左手は(添えるのではなく)ラケットをしっかり持って、右手をラケットに添えるようにする。


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練習の仕方は、

ラケットをボール側に用意するときから、ボールに向かって振り出すときまで、右手はラケットを掴まないようにする。

・右手の掌を、グリップに触れさせる(タッチしているだけ)。右手の指は、グリップに触れないようにする。(これだと左手で持つしかないでしょ)

・左手は、ボールに当たる直前まで、しっかりラケットを持つ

・ラケットがボールに向かい出すと同時に、右手の指をグリップに絡めていく(強く握り締めないように)

・打球までいったら、左手をラケットから離す


振り出しは、両手でやる。片手打ちだと思わないで、振り出せると良いです。

上手くできれば、かなり左腕が疲れるかもね(その分、右手は楽になるはずです)。今まで何もやってなかったから。