北野誠事件 | 皆様ご機嫌いかがでしょうか 

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【久保田光彦オフィシャルブログ】 

北野誠が無期限謹慎処分になった。ワイドショーで、涙の謝罪会見の模様が流されていたので、ご存じの方も多いだろう。大阪・朝日放送の『誠のサイキック青年団』というラジオ番組内での発言が問題となったそうだが、はっきりとした理由には言及しなかった。

北野誠は、テレビ・ラジオのレギュラーを関東・関西で複数本抱える、いわば売れっ子タレントであり、最近ではコメンテーターとして、朝の情報系バラエティー番組にもよく出演している。本人も認めているが、毒舌を売りにして、政治や経済の分野に関しても厳しいコメントを発している。その毒舌が墓穴を掘ったということらしい。

あくまでネット情報とお断りしておくが、北野誠の干された理由というのが、大きく分けて4つネット上で挙げられていた。1つめは、大手プロダクションのドンを誹謗中傷したという理由。2つめは、某宗教団体を誹謗中傷したという理由。3つめは、日本音楽事業者協会(通称、音事協)を怒らせたからという理由(これは1つめとも絡んでいるとのこと)。4つめは、松竹芸能(北野の所属事務所)の意向を無視・反発したという理由。特に最初の2つは、触れてはいけないタブーの世界のようだ。しかし上記の理由が仮に本当だとしても、一人の売れっ子タレントの生活権を剥奪するに十分と、これらのことであなたは判断できますか?

私が何故この事を記事にしたかというと、芸能界というか放送界というか、この業界には驚くほどタブーが多いということを感じたからなのだ。私も過去に一度、無論こんな大事ではないが、世間を少し騒がせた経験がある。タブーではないが、その4~5歩手前のところで、当時会社の上司連中の数人から厳しく注意されたことがあった。私にも落ち度があったし、迷惑をかけたのも事実なので謝罪したが、内容は今でも間違ってはいないと信じている。

誹謗中傷も名誉棄損で裁判にでもなれば別の次元の話だろうが、麻薬や暴力沙汰・痴漢、詐欺や恐喝・果ては殺人といった凶悪犯罪とは訳が違うでしょう。謝って済まないのなら、お恐れながらと先方が訴え出ればいいのであって、芸能界追放的な措置はいかがなものであろう。少し私が甘いのかなぁ…。

触れてはいけないことはどの世界でも存在する。相手を傷つける行為は避けなければならないが、放送というエンターテイメントの中では、悪口や皮肉・ある種のリークは重要なアイテムになる。批評・批判は大切だが、悪口雑言との境はバラエティーでは紙一重といっていい。毒舌で名をなした人は、それを芸の分野にまで高めているが、北野誠はそれが出来なかったということか。いずれにしろ、真相は放送界の藪の中にある。