なんだかなあ、もう、あのストーリー。

あれはまさに夢見るストーリーやね。

俺もあんな夢見たいわー。あんなかわいい子やったら絶対好きになるわ。
映画やからしょうがないにしても、出木杉やで。ホンマ。

女も男もパーフェクトやもん。あんなん恋愛に発展せん方がおかしいわ。

って、さっきからブツブツうるさいなあ思ってるでしょう。

そう、そうなんです。おれ、ああいうストーリーキライなんです。

巷ではやれ、面白いだの、感動しただの言ってますが、僕の感想は「しゃらくさい」と、この一言につきます。

今まで知った話の中でもダントツの、しゃらくささです。


俺が歳とったからなんか?…いや違う、俺は昔からああいうストーリーが苦手やった。タッチしかり、…他もう思いつかんけど。

じゃあ、なんでそういうストーリーが苦手なん?と聞かれたら、それはズバリ!!羨ましいからに他なりません。

もう、なんというか、あの、かわいい男と女が徐々に好きと言う気持ちを培っていくあの過程を、僕は素直に見ていられないんです。
つまり、妬いとるんですわな。あの、女に、あるいは男に。

って、こんなにやきもきするって言うことは、裏返せばめっちゃいい映画って言うことなんちゃうん。

まあ、俺は素直に認められへんけどね。

つまり、あのストーリーが俺にとっては羨まし過ぎるって言うことでしょうな。

ホンマ、あんなん見せつけられたらたまらんよ。知らんがな、勝手にやっとけや。って気持ちになるから。

うん、でも間違いなく人の気持ちをこんなに揺さぶると言うことは、悪い映画ではないんやろうね。

俺は俺の気持ちに従って、良かったとは言わへんよ。ただ、悪くはないとは言っておこうか。

ひとつ言えることは、俺はあの男になりたいと言うこと。それは間違いない。
そしたら、あの映画を手放しで誉められる。って、お前は…

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