Rです。


営業先で強烈な社長と出会った話。

ご年配の女社長は初めましての私を見てこう言った。

「何しに来た!信用ならん!」 

いや早い。まだ何も喋ってないし、そもそも呼ばれていったはず。あ、見た目か。見聞色か。

ご存知の通り私は打たれ弱い。
同席した仲介業者と顔を見合わせ、

「申し訳ありません。」

営業スマイルを纏った謝罪は場をなごますのに、最適なー

「おい仲介!なんで連れて来た!」

女社長の追撃は、営業スマイルを木っ端微塵に打ち砕く。

「くっ」

迂闊にも声が漏れるほどのインパクトを、流石の仲介が援護に入る。

「社長に喜んでもらう為です!!まずは話を聞いて下さい!!」

流石の援護だ。彼とは何度か同行した事がある。彼の誠意ある「社長の為です!」の口上に堕ちた社長は数多。今回も大丈夫なはー

「知らない。なぜ連れてくる?私をどうするつもりなの!?」

無傷の社長と木山裕策に抱かれだす私。

仲介業者さんには悪いが揉めたくはない。私は帰り支度を始めー

「もしそちらと取引始めてそちらが潰れたら責任とれるの!?」


なんだァ? てめェ

独歩、キレた。
木山裕策は単独で帰ることを決めた。

「弊社が事業撤退されると思われますか?」

一度は持ち上げたカバンを床に置き吐く。


「撤退するとか知らない。ただ変えたく無いだけなの!」

なるほどわからん。

ー客にかかる初期投資コストは無し&契約するだけで毎月ランニングコストが安くなるー

そんな夢のような提案書を握りしめた。

大概はこれで黙る。やるかー

「出すのはやめましょう」

仲介業者が耳打ちしてくる。なんでだ。黙らしたい。

「今日良い提案が出来るかと思いましたが、やめときましょう(ニコリ」

仲介業者の突然の締めに、今までその様子を眺めていた専務が口を挟む。

「ちなみにいくら安くなるの?」

キタ。食いついた。暗闇に放った浮餌が揺れる。
ー勝機ー

「いやーやめときます。社長にもご納得頂きたいので。(ニッコリ」

私は握りしめた竿をさも当然かのように離す。


「社長!一回聞くだけ聞いて見ましょうよー!コスト削減はウチにとっても課題ですよ」

専務はこちらにきたかー

「き、聞くだけなら良いわよ。但し判子は絶対押さない!信じられないの!安くなるわけがないの!私は昔からそうして来たの!」

なんだァ?てー

「じゃあいいです。Rさんもわざわざ東京からいらっしゃってるので。では失礼しますね(ニッコリ」

「すみません。帰りましょう。」

仲介業者が促す。

「聞くだけなら良いわよ?」

「いやいや(笑)お忙しい中失礼しました(笑)また日改めます(ニッコリ」

表情を変える社長を横目に我々はその場を後にする。

「本当にすみませんでした。」
「社長の頭冷えるまで寝かせましょう。(ニッコリ」

淡々と車を出す仲介業者。

こいつ、デキるー

押す、引く。駆け引きが上手い人はそのバランスが絶妙だ。

彼は一気に押し切って引き切る。100と100。いや引き強めの100と200。

なるほど効果はバツグンだ。

私の場合、押し強めの140と60一辺倒。引き強めは旨いー

そんな事を考えながら、今日を打ち上げる。

酒とタバコが美味いなー

ハイボールをお代わりし、この記事の着地を考える。

「今日はずっと飛んでようぜ。今夜は読みづらくてもいいぜ。」



それでは!