年末になると、色々整理しておきたくなるものだ。
大掃除や仕事の内容、また過去の思い出もそう。
僕はいつもの喫茶店で仕事をさぼりながら過去を振り返る。
色々な出来事、嬉しかったこと、悲しかったこと、人との出会い、別れ。
今日は大学生の頃夢中になった「ネットライム」がフィーチャーされた。
ネットライム……今では中々聞くことができない言葉だ。
一言では説明が難しいので当時の僕と照らし合わせて説明するとしよう。
当時の僕はというと、ヒップホップに夢中なBボーイを気取っていた。
聴く音楽や服装全てヒップホップに浸かりたかった時代。
また、ラップの重要な要素である「韻を踏む(ライム)」ということにも興味があった。
韻を踏むとは、母音を合わせるということだ。
歴史、景色、レシピ…など。
僕は韻を踏みたかった。ヒップホップを聴いては、韻を踏む。
結果オリジナルの歌詞(リリック)を紡ぐことになる。
それを繰り返した。
その場その場で韻を繰り出すこと(フリースタイル)が出来るようになりたかったのだ。
大学の中にはラッパーとしてクラブで活躍している人もいたが、あまりにも威圧感のある風貌で近づこうともしなかった。
クラブにも行こうとも思わなかった。
ただ誰かと韻を踏みたい。
そして僕は、インターネットで韻を踏む人…所謂ネットライマー達と出会ったのだ。
それがネットライム。
一言で言うと、インターネットで韻を踏むことだ。
当時のyahoo掲示板の中にはヒップホップのカテゴリがあり、その中に「マイクリレー4週目」というスレッドが立っていた。
マイクリレーとは、ラップのスタイルであり、同じ楽曲でラッパーが韻を踏み、次のラッパーにマイクを渡していく。
ルールとしては、前の人が最後に踏んだ韻で始めること。
それぞれのラッパーの個性が出て楽しいものだった。
ネットライムでも同じ形式で動いていた。ただそこのスレには「パスダさん」という人が常駐し、リレーだけでは無く初心者にアドバイスも行っていた。
パスダさんは確かにその中では一歩群を抜いていた。
スタイルは、ソフトに綺麗なワードで丁寧に踏む事。
ストーリー作りも上手くみんなに尊敬されていた。
僕もその中の1人だった。
この人と絡みたい。そう思った私はマイクリレーに参加することを決めた。
IDは持っていた。
昔ゲームか何かのスレで質問するために作ったものだ。
質問だけのつもりだったので、「Question」というIDだった。
そして、前の人の母音で色々な言葉をメモして準備をした。
また僕としてはZEEBRAやキングギドラに影響を受けていた事もありハードコアスタイルで行きたかったが、そこはパスダさんの前だ。
評価されたくてワザと綺麗な言葉で初めてのネットライムに挑むことにした。
一心不乱にキーボードを叩く。
部屋ではDragonAshの「grateful days」が流れていた。
つづく
大掃除や仕事の内容、また過去の思い出もそう。
僕はいつもの喫茶店で仕事をさぼりながら過去を振り返る。
色々な出来事、嬉しかったこと、悲しかったこと、人との出会い、
今日は大学生の頃夢中になった「ネットライム」
ネットライム……今では中々聞くことができない言葉だ。
一言では説明が難しいので当時の僕と照らし合わせて説明するとし
当時の僕はというと、
聴く音楽や服装全てヒップホップに浸かりたかった時代。
また、ラップの重要な要素である「韻を踏む(ライム)」
韻を踏むとは、母音を合わせるということだ。
歴史、景色、レシピ…など。
僕は韻を踏みたかった。ヒップホップを聴いては、韻を踏む。
結果オリジナルの歌詞(リリック)を紡ぐことになる。
それを繰り返した。
その場その場で韻を繰り出すこと(フリースタイル)
クラブにも行こうとも思わなかった。
ただ誰かと韻を踏みたい。
そして僕は、インターネットで韻を踏む人…
それがネットライム。
一言で言うと、インターネットで韻を踏むことだ。
当時のyahoo掲示板の中にはヒップホップのカテゴリがあり、
マイクリレーとは、ラップのスタイルであり、
ルールとしては、前の人が最後に踏んだ韻で始めること。
それぞれのラッパーの個性が出て楽しいものだった。
ネットライムでも同じ形式で動いていた。ただそこのスレには「
パスダさんは確かにその中では一歩群を抜いていた。
スタイルは、ソフトに綺麗なワードで丁寧に踏む事。
ストーリー作りも上手くみんなに尊敬されていた。
僕もその中の1人だった。
この人と絡みたい。
IDは持っていた。
昔ゲームか何かのスレで質問するために作ったものだ。
質問だけのつもりだったので、「Question」
そして、前の人の母音で色々な言葉をメモして準備をした。
また僕としてはZEEBRAやキングギドラに影響を受けていた事
評価されたくてワザと綺麗な言葉で初めてのネットライムに挑むこ
一心不乱にキーボードを叩く。
部屋ではDragonAshの「grateful days」が流れていた。
つづく

