エピローグ
世紀の一戦が終わった夜。
私はウイスキーを傾けていた。
ふと電話がなる。
もしもしー。
彼女だ。
お母さんがいい人だねーて。よかったねー。
なぜか客観的に楽しんでるように見える彼女に違和感を感じたが、私は黙っていた。
もしかすればこの時、感じていたのかもしれない。
そう。テーブルに残していたジョーカーが及ぼす闇を。
ただね…
一方的に話していた彼女が口籠る。
なに?
私は答えを焦らすかのようにそう聞いた。間違いない。ジョーカーだ。
神経質そうだから心配ねって。
・・・
?
誰が?
いやR君に決まってるじゃん。
兄貴は?
え?てか何でお兄さんが出てくるの?
いや。そうか。
私は気づいたのだ。
ジョーカーは・・・ジョーカーは2枚あるということを。
完。
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