ガーリックはだめだ・・・・・。



私の脳がそうこだまする。


となると、残りは2枚。


一つはペンネと記されている。そしてもう一つは・・・・。
ペンネはトマトソースらしい。ペンネが何を意味するのか私には不明だが、ここを選べば問題無いのだろう。
しかし、私の口から出たのは最後の一つだった。



これで・・・・・。



チェアマンに指で示す。




かしこまりました。





普通のやり方では駄目だ・・・。
そう決心した私の強い眼差しと、チェアマンの愛想笑いが心地よいハーモニーを奏でる。


とりあえずはオーケーだ。



同じくオーダーを終えた彼女達としばしの談笑が始まる。


仕事は何をしている。
自炊をしているのか。
実家はどうなのか。



全てに対し誠実に、そして丁寧に答える私はわずかな違和感を覚える。
その違和感は意識すると共に大きくうねっていく。



談笑は続く。





その時、チェアマンが動いた。




こちら前菜でございます。




これか?


・・・・いや違う。私の違和感はこんなものでは無い。
もっとこう大きな要素。
談笑に欠かせない物。



その違和感はうねりを増す。







限界だ・・・・。






私は遠い目をしたチェアマンを呼び出し、枯渇した声で懇願する・・・・・。












お水がきてません・・・・・・。









つづく