フォークやナイフ、スプーン・・・・。

このゲームに必要なカードは皿の隣には並んでいなかった。

ガスト式・・・とでもいうのだろうか。

一つの籠の中に山のように佇んでいた。


本場のイタリアン・・・!?



まさか・・・・カジュアル式!?


全くゲームの内容が掴めない中、母親が口を開く。




せっかくだし、ワインでもどうですか?




ワイン!?


そうですね・・・。いいですね。


私は新たなカードの登場に対処しきれず、そう答える。

その時点でゲームの展開は母親に握られることになるのだが。


しかしここで大きな展開を迎える。



どのワインがお好きですか?



光を纏ったその質問は先制攻撃では無く、ターンの放棄、そして私にターンが移った証であった。



ワインは分かる。まさに私のターン。


いつも飲むのはチリワイン。
そう。南米のワインがあればそれを選べばいい。おそらく・・・おそらくだがハズレではないだろう。

余裕の表情でメニューを開く。メニューには所狭しとワインの名称が並ぶ。もちろん分からない。しかし、問題はそこでは無い。

南米産かどうか・。


大抵のワインメニューには名称の隣に国旗が並ぶ。その国旗こそ最大のヒント。
そう。国旗だけを見て、南米産を選択すれば良い。

簡単だ・・・・。


私は不気味な笑みを漏らしながら、国旗を閲覧する。




・・・




・・・・・。





絶望



全て閲覧し終えた私は、正に絶望の闇に心を落とす。



その闇の中には、ヨーロッパの国旗だけがうごめいていた。








つづく