ありがとうございます。
お気を遣わせてしまってすみません。
母親はニコリと笑い、クッキーを手にした。
いきましょうか。
私達はゆっくりと歩きだした。
10分程歩き、オープンテラスが綺麗な一軒家のレストランに着いた。
よく同窓会等で利用するんです。
母親はそう言いながら、ドアを開く。
闇を背負ったままの私はそこでようやく正気に戻ったが、またも違う闇に包まれることになる。
ここは…
本場のイタリアン!!
なにを隠そう私は本場のイタリアンに行ったことが無い。
周知の通りイタリアンには複数の暗黙のルールが存在する。一度でも失敗すればその時点でアウトだ。
チェアマンが席まで案内する。
こちらにどうぞ。
母親と彼女が席につく。
私は彼女の隣だ。母親とは対面になる。
とりあえずは理想のフォーメーションに安堵のため息をつかせ、私は席に着いた。
そこには、
複数のフォークやナイフ、そしてスプーンが待ち受けていた。
つづく
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