お待たせー!!



待ったー!!



彼女はその甲高い稲妻を振り上げる。しかし、当時の私にはその光は届かない。


私には対峙すべきヒトがいる。



稲妻の後ろ。全ての主。


そう…彼女の母親だ…。



母親は、稲妻をゆっくりと制し私に近づく…。



お待たせしました。いつもこの子がお世話になっております。



全てが光に包まれる。


私を囲っていた闇が消えていく。


ようやく戻ってきた。



光の私は落ち着き、小さな声で返す。


Rと申します。娘さんと長くお付き合いさせて頂いているのにも関わらず、ご挨拶が遅れてしまい申し訳ございません。これはつまらら…



噛んだ




昨晩中で仕上げた自信作だ。一朝一夕とはいえかなりのシミュレートをした。



しかし



噛んだ




私はまたも焦燥感の闇が押し寄せる中、クッキーを差し出した。



つづく

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