Rです。


急激に思いだしたので一気に書きます(笑)
でもなかなか終わらなさそう(笑)





「で何飲む?」


弁当を夢中で食べてる私にH君はグラスを片手に聞いてきました。



てか何飲んでんの?



H君は訳分からん銘柄をボソッと言い、カウンターに並べられたボトルをニヤニヤと眺めてました。


「ここ界隈でそれ飲むのHさんくらいですよ。」


店長はちょうど席を立った韓国人の後片付けをスマートに進めながら言いました。



へー。それどんな酒なん?


「薬草をリキュールに漬け込んで・・・・」


すんません!!レモンサワーあります?


長くなりそうだったので食い気味にオーダーしました(笑)


「チッ置いてるかボケえ。」


話を遮られて若干怒り気味のH君が言いました。



分かってるやん(笑)
じゃあジントニック下さい(笑)


店長はニコッと酒を作り始めました。



ここメニュー置いてないんやな!

店を見渡してもメニューや金額はどこにも無くただ大量のボトルが置いてるだけなのです。


「普通置いてないんちゃうか?安心せえ。ここは間違いない。ま、お前がいつも行く店よりは遥かに高いけどな(笑)」



へー。そんなもんなんやな。
あの店長若いのに儲けてはんのかな?


同い年くらいの店長はロン毛で細身。
顔は普通でした。


「儲けてるかどうかは分からん。ただ酒の知識、テクニックは評価できる。同年代にそのレベルはまずいーひんやろ。」


「バーテンはおじいちゃんになっても突き詰めなあかん仕事や。実際おじいちゃんでも大したことないバーテンはいっぱいおる。そう考えたらここは凄い。」


「マニアックなところが好きなんや。」


H君がバーテンと店の特徴を簡潔に紹介しているところに


「マニアックなお客さんはHさんですけどね。」


と店長がジントニックを持ってきた。



ありがとございまーす。
早速いただきまーす。


ん?

かなり酒の味がする!!!
違う酒を飲んでるみたい。

と思い聞いてみた。


これジントニックなんですか?なんかいつもと違うなあー。


店長は静かに答えた。

「いつも飲んではんのは偽物ですよ(笑)」


えええ!そうなんすかー!

大体分かりきった返答にとりあえず大袈裟にリアクションしました(笑)


「ふん(笑)で、味はどうや?」


バカにするようにH君は聞いてきた。



旨いよ。深いわー。


とりあえずそう答えると


「なんやそれ。」



とH君はまたボトルをニヤニヤ眺めながらそう言った。



今日は楽しい夜になりそうだ。

そのふやけた横顔の後ろにある時計は午前2時を回ろうとしていました。




つづく。