気になる未成道 東京補助92号線(その2)
2019年8月訪問
東京補助92号線は、北区と台東区を結ぶ都市計画道路のひとつです。
「その1」も併せてご覧いただければと思います。
都道458号線に突き当たるかたちで補助92号線は行き止まりとなっていますが、計画ではまだまだ先に延びることになっています。
都道458号線から狭い路地に踏み込むことおよそ100m、同じ程度の幅の道が斜めに合流しますが、その道は都道に達することなく間もなく行き止まりとなっています。斜めに合流する道に沿って一部が空き地となっています。
都道458号線の東側は都施行の優先整備路線に指定されています。
今はとても狭く短い道ととても小さな空き地があるだけですが、近い将来この場所は補助92号線という広い道路に成長することになるのです。
背の低い建物が多い地域ですが、写真右側に背の高い建物が2棟見えます。
この2棟の建物の左側が道路用地となっているようです。
この写真のあたりでは、曲がりくねながら伸びる狭い道を直線的な広い道に造り変える計画ですが、沿線では道路建設反対を訴える旗や垂れ幕が多く掲げられ、生活環境の大幅な変更を余儀なくされる住民の苦悩を感じずにはいられません。
西日暮里駅の西側で都道457線と交差します。
都道458号線と都道457号線を結ぶ間と、「その1」でご紹介したJR線との交差地点は優先整備路線に指定されています。
この2つの区間が供用されれば、補助92号線も交通量が増え、東京の幹線道路としての揺るがない地位を築くことになるでしょう。
日暮里駅の西側、谷中銀座のある通りと交差します。
交差する地点は谷中銀座から少しだけ外れるようですが、「ゆうやけだんだん」と呼ばれる階段を登り切ったところですので、補助92号線から見れば谷中銀座は目と鼻の先にあるといえます。
こちらの通りを拡幅する計画です。
歴史を感じさせるような趣を感じる建物が多く建ち並んでいる印象を持ちました。
たまたまかもしれませんが、外国人観光客が多いように見えました。
この辺りは2020年現在、優先整備路線にも特定整備路線にも指定されていないようなのですぐに用地買収や工事が始まる可能性は低いですが、趣ある建物が取り壊されれれば街の魅力が減り観光客も減ってしまうことでしょう。
どうにか趣ある建物を残すような方策が必要になってくるのではないでしょうか。
観光需要の冷え込みを回避する方策は、谷中銀座でも必要だと思われます。
現状では谷中銀座へは日暮里駅から一本道で行くことができます。
補助92号線ができたときに、交差点に歩行者が渡る横断歩道や信号機が設置されない場合、商店街に行こうとする歩行者は大変な迂回をしなければならなくなります。
どのようなかたちで補助92号線が整備されるかわかりませんが、とにかく歩きやすい道にしてほしいものです。
久しぶりに、束の間の供用区間です。
この辺りでは補助92号線は都道452号線と重複しています。
南側の端部では歩道が建物に突き刺さるような形状をしています。
供用区間の先もセンターラインが引かれそこそこの道幅がありますが、しばらくするとかなり狭くなってしまいます。
最高速度は20km/hに制限されます。四輪の自動車はすれ違いができないと思われます。
道幅が狭いため、この区間は一方通行になっています。
この辺りも都道ですが口の悪い人は「吐道」とでもいうのでしょうか。
再び道幅が拡がると、京成線博物館動物園駅跡があります。
上野動物園、東京国立博物館、国立科学博物館などの施設へのアクセスに利用されましたが、1997年に休止、2004年に廃止となりました。
駅に列車が停車することはなくなりましたが、現在でも時折駅構内を開放するイベントが行われているようです。
上野駅の北側でJR線を跨ぎ越し、補助92号線は終了します。
補助92号線の両端はJR山手線の外側に位置しますが、ほとんどが山手線の内側を走ります。
東京補助92号線の沿線、予定地を歩いていると、様々な街並みを見物することができます。
道路建設に伴って、画一的に高層マンションや高層オフィスビルをずらりと並べるような都市計画では都市の魅力が感じられなくなるように思います。
うまく表現できませんが、都市計画にもメリハリが必要なのではと思います。