この男エロにつき…
アデユ~ 久保新二 伝

良き時代の時は、キャバレー、クラブ、温泉場、ホテルを廻った。

伊藤ハトヤホテルに入った時も盛大だった。
オレ達のショーは第二部で、1部は黛じゅんショーだ。

さすがにハトヤホテルは大きい。
オレの狙いが外れた、と云うのも、寸劇でチップを集める筈が、会場には四百人からの客が全員男女とも浴衣姿なのだ。
これには参ったネ。

黛じゅんさんの歌謡ショーが終わった。
30分歌を聞いてたら、飽きるかも。
オレ等も歌から入るが、踊ったり裸がありで、浴衣姿の客達が裸を見たさに少しづつ舞台の方に移動してくるのがわかる。

この時も確か
「久保新二のエロスショー、見せます、笑わせます」
だった。

汐見さより、中山みゆきが「誰か助けて!」 「社長助けて!」と、襦袢姿で助けを求める。
オレがフンドシ姿にムチを持ち、
「その顔が助ける顔か、オレが代わろうか、てな顔してんじゃねぇか」

と云うと、ウオーッと轟音のような笑い。
浴衣姿の中で裸にひんむき、馬乗りになり二人の胸を交互に吸う。
客達は、みゆきチャンと汐見を手当たり次第触りまくっているではないか…
油断もスキもあったもんじゃない…
男って可愛い動物だね。

こんな感じで進行してたから、受けはよかった、が、ホテル側はやり過ぎだ、と怒ってた。
それなりのギャラを貰うと、お客が喜んでくれればいいのさ…
それが役者、と云うものさ…

アデユ~