この男エロにつき…
アデユ~ 久保新二 伝

芋食って、オナラが出る出る法隆寺…てか。
秋だねぇ、夜は寒いネ…。
オレが水商売初めたきっかけは、裏ビデオで一世風靡した田口ゆかりだった。
オレと田口のファンのAさんが、ショーを売り物にした店をやって欲しいと、店舗を提供してくれた。

田口ゆかりがママで、店では着物姿。
この頃はスタイルもいいし、着物姿が映えてて、銀座のクラブのママにヒケをとらない程の美人ママだったネ。

オレの方は、現在の快楽亭ブラック、桂サンQと一緒にピンク映画トーク、性感マッサージ、夜這いコントなど連日やっていて受けてた。

しばらくして、ゆかりも裏ビデオ界からロック座のストリップの舞台に立ち、店も辞めた…。
舞台がハネると、ゆかりが跳んで行く場所はパチンコ屋だった。
パチンコやってると、何もかも忘れるから好きなの…
ともいってたなぁ。
あの時代が青春だった…が、残るのは思い出…だけ…。

久しぶりの再会は巣鴨駅近くの事務所で雑誌の対談で。
昔の艶やかなゆかりじゃなく、太ったおばチャンだ。体調を壊して、薬の副作用で太ってしまった、と云う。

髪がショートだからオバンに見えたんじゃない…
明らかにオーラもない田口ゆかり。

AVの事務所に所属してるが、仕事はなかったネ。
やはり、田口ゆかりの行動、言動はおかしかった。
まだ電車がある時間なのに、タクシーで埼玉まで帰ってしまう。
「ゆかり、金は持ってませんよ…またか」

事務所のマネージャーが困惑顔だ。
金も持たず、タクシーで2、3万かかるとこ迄行っちゃいますよ…と、別のマネージャーが愚痴を云う。

人は幾つになっても、面影が残ってるてことは素晴らしいこと。
オレなんざ、20代の二枚目の面影が何もねぇよ…
世の中が、いや女がオレを姿まで替えちまったのさ…
アデユ~