King Of Pink
久保新二物語
「好色 ピンク 一代男」

今日も生きてしまったなぁ…。
今日は、どんな一日なんだろ?

俺がプロデュースした
「森尾歩衣、聖水折檻」は 「ザ、妊婦」に続く作品で、若月美廣監督のデビュー作品だ。

監督はAVでシネマジックを初め百本以上撮ってる鬼才監督で、SMものを得意としている。

圧巻なのは、森尾歩衣を逆さ吊りにしクレーンで25㍍の高さ迄上げた。
さすが25㍍となると、歩衣だけだろう。
歩衣の根性はダテじゃなかったね。
クレーン車の運転手もビビって真っ青だ。

「久保さん、万が一を考えて、下にマットや水を用意して…」

そりゃそうだ。即、助監に指示した。
急ぐんだけど、現場はスムーズにいかない。
カメラマンも監督も逆さ吊りだけに不安なのだ。

「歩衣ちゃんを左右に揺すれ!カメラ回して。」

更に俺は歩衣に向かってオシッコしろ!と声を掛けたが、逆さ吊りで縄が股間に食い込んでいるからオシッコは諦めた。

「やめてぇーツ、降ろして!降ろしてぇ…」

縄師の濡地痴夢男も、下でヤクザ役の俺達と一緒に茶化すんだが、心持ち不満顔。

歩衣の絶叫が聞こえなくなった…どうしたんだろ…
歩衣が失神したのだ、ピクリとも動かない…。
それでも揺さ振ると、すっげぇ迫力でいい絵が撮れたね…。

森尾歩衣は男達の聖水を飲み、聖水占いもやるのだ。
しかも、性格や血液型、結婚運まで当ててしまう。
すっげぇだろ…。

二年後、SMクラブや映画館でのショー、そしてAV出演、ストリップショー…常に聖水ショーは俺が一緒だった。

そのうち、毎日四ツ谷駅近くの病院で一本一万円の注射を打ってから仕事するようになってから、仕事に穴開けるようになり、連絡が取れなくなってしまった…。

精神安定剤の飲み過ぎ…聖水の飲み過ぎには気をつけようね…

飲む訳ねぇっての…。

アデユ~