久保新二の
「シコシコメモリー」

メモリー…日記…過去のさまざまな記憶を蘇えらせてくれる大脳に感謝し、メモリーを続けさせていただく…

忘れられないってこともいくつかあるんだよね…

今日も、生きてしまったな~、今日と言う日は二度とない…

群馬県、藪塚温泉ロケで三日目にしてキャスト全員が顔を合わせた。

武藤周作、美谷かほる、千月のり子、伊海田浩、二枚目の国分二郎、吉田純、小島マリ、大月麗子達が、明日の役作りなどの話で花が咲き酒盛りだ。
飲めや歌えのドンチャン騒ぎで、日本的美人の麗ちゃんは浴衣姿がよく似合う。

大月麗子が輪から離れ、三回、四回とトイレに向かう。
麗ちゃんは日本酒なら冷やで一升空けてしまう豪酒で、気立てもいい女。

「気持ち悪いのか?腹が痛いの?明日はハードだぞ、先に横になりな」

吉田純が声を掛ける。
周りも冷やかしながらも心配顔だ。
麗ちゃんが、訛りの口調で腰をもぞもぞさせながら言う。

「ばっかだねアンタらは。男衆は何も判っちゃいねんだから…女ってのはね、女座りすっと、カカトがアソコに当たって、パンツが割れ目ン中さ食い込むの。
でもな、男の前でお尻触ってたらはしたないでしょ。だから、便所さ行ってアソコからパンツ出しでぐるの、女心だよ、女心…」

麗ちゃんはさっそうと身をこなし、スキップしながら便所に向かった。
一同は、
「へぇ、パンツが割れ目の中に食い込むのかね?」
「麗ちゃんのはでけぇんだな…」

と好き勝手なことをいい、また雑談に盛り上がる。
いかにも、ピンク映画の裏話っぽい、艶っぽい話ではないか…。
ピンク映画は、温かさとほのぼのさ、そして情緒が売り物じゃないのかなぁ…

晋さん(山本晋也)組は、いつも和気あいあいだったなぁ…

アデユ~