オウッス!久保新二だよ~
以前、ピンク映画の初期、40年代に主役クラスで活躍してた「大平」って役者がいた。それで最近たまたま錦糸町駅近くの総合病院に、ダチの母親の見舞いに行った時、同じ病棟にいた大平が声を掛けて来た。俺の声は特徴があるらしく、間違いない、と思ったんだって。30数年振りの再開で全身がガンで余命3ヵ月だ。奥様も居て経緯を聞き俺達は抱きあって泣いた。大平が言うには、「死を宣告された時、1番楽しかった奴を思い出すんだよ!」と。凄く嬉しかったな。当時は柄も大きいし二枚目が売りだった大平。が、今は闘病生活が長く痩せこけて、抗がん剤の影響で髪はない。まるで別人のように見える… 「あの頃は楽しかったね久保チン、いろいろありがとう青春を。何もして上げられないけど、この腕時計を形見にあげる。要らなかったら捨てて!」大平は時計を外し俺に手渡した。ベットに座ってる奥さんも涙ぐみ、俺も大平も声を出して泣いた…偶然、奇遇…運命…
翌日、また会いに行ったところ、朝1番で退院したという。教えて貰った携帯は使われておらず、住所も他人が住んで居て知らないという。生きているのか死んでいるのか?…もっと思い出話をしておけばよかった…そんな思いだ。残っているのは形見のラドーの時計…それも今は止まったままだ…(涙) アデユ~