吉本 ばなな
キッチン

この本、実は前に「つぐみ」などと一緒に読んでいまして・・・

でも、内容は全く覚えていないという状態でした。

そのころはあまりおもしろく感じなかったのかな・・・


最近、再読のきっかけがあったので、もう一度読んでみました。




内容は、三話構成です。


キッチン


満月 - キッチン2


ムーンライト・シャドウ



満月は、キッチンの続編です。




キッチンは、主人公みかげの大切な人の死から物語がはじまります。

さみしいけれど、人の優しさに包まれるようなあったかいお話です。


この話のなかで、みかげが、自分の関係ないところで、あれよあれよと涙がこぼれてくる。

自分の機能が壊れたかと思った。というところがあります。

みかげの場合は、自覚がないだけで、さみしさからきた涙だと思うのですが、

余談ですが、「ぼく」の場合は、ほんとに機能が壊れたのではないかと思う泣き方をしたことが一度だけあります。

ぜんぜん悲しくないのに、涙だけどっと出てきたんですよ。

あまりに不思議で、悲しくないのにどうして涙が出るんだろうって思ってました。

そんな経験ってないですか?



満月も、主人公みかげの大切な人の死から物語がはじまります。

こちらは、キッチンよりもつらい話になってしまいます。
中盤までは、ちょっときつい話ですね・・・

最後まで、ちょっとどきどき、暗い気持ちにもなったりしましたけれど・・・

どこまで落ちてしまうんだろうと思いながら読んでました。

でも、この話は最後までちゃんと読んでほしいですね。

最後まで読まないと、気分がどん底まで落ちっぱなしの話になってしまいます。

最後にすごく救われた気分になれるので、読むのなら、ぜひ最後まで読んでください。



ムーンライト・シャドウ、・・・

これはどうかな・・・

胸が締め付けられるような気持ちを味わいたい人にはいいかもしれないです・・・

ラストもけっこうつらいですよ。

つらいけど、この2度目の別れは先に進むために必要な別れなのですよね・・・きっと



おもしろかった・・・というかすごく良かったですね。

再読できてほんとに良かったです☆



P.S. ラジオのDJさんが言ってました、「吉本ばななさんの作品には、必ず死が出てくる」

   ほんとそうですね。

   今まで読んだ吉本さんの小説だけを見ても、必ず死がからんでました。


   そして、吉本ばななさんの小説は、不思議なことが普通なことのように書かれていること、ありますよね。

   なぜかそれをあたりまえのように受け入れている自分がいたりします。