はいどうも久しぶりです。最近妙に忙しくてあまりブログとかUPできないでいました。すいません。生きてます。
いきなりですがこの不景気とか色々と嫌になるようなご時勢ですが、今回お勧めする「四丁目の夕日」の主人公に比べれば・・・まだまだ、どうということもないような気もします。・・・漫画の世界なんですけどね。
というわけで、この漫画・・・映画にもなった某3丁目のアレとは全くもって違います。大体ね、「あのころは貧乏ながら希望があって・・・」とかそんなんばかりな訳ないじゃないですか。正直な話、「貧乏人はバカを見る」というのもあったわけですよ。当たり前ですがね。
この漫画が発表されたのは1985年。今から25年前ということで、少し昔の漫画です。
舞台は昭和50年代~60年代。主人公(たけし)は、印刷業を営む父親、母親、妹、弟と、貧乏ながら幸せに過ごしてました。さらに学業は優秀で、高校でもベスト10に入るほどでもあり、さらにガールフレンドや親友にも恵まれていました。しかし・・・彼の不幸は大津波のようにどっと押し寄せてきます。
ここからはノンストップに不幸の大連鎖。見やすいように書いていきますと・・・
・ガールフレンドと喫茶店で別れ話をしたあと、泣いて店を出る彼女を追いかけたらヤンキーの飲み物にぶつかり、追いかけられてボコボコ。
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・彼女は親友(金持ち)に助けられたものの、家に戻れば母親が焼却炉の爆発により大やけどで廃人同然。借金まみれ。
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・父親、いままでの3倍働く。しかし頑張りすぎて印刷機に巻き込まれて「ぐっちゃんぐっちゃん」。見開き2ページ分の絵がエグイ。
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・葬儀中、借金取りに絡まれる。高校やめる。なんとか易しい従業員と工場を再会させようとしたけど、結局印刷機差し押さえ。廃業。
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・どこかの工場に就職。しかし、かつてたけしの家の工場に就職していた出来の悪い不良にいじめられる。父親の死に様までからかわれる。
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・おまけに工場や近くの食堂での人間関係はうまくいかない。というかその辺の人が正直底辺の人たちなので、うまくいくわけない。
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・移り住んだボロアパートはキチ〇イだらけ。火の付いてない七輪に受話器を置いて食べようとするやつとか。核マル派みたいなメットかぶった変なのとか。
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・それでも兄弟のためにがんばり続けた2年間。しかし精神的に壊れていく。かつてのガールフレンドや親友との久しぶりの再会も、ボロボロ。この辺は漫画を見てもらいたいとこです。
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・そんなたけしの楽しみは、下水に作った秘密基地。通称「たけしきち」。ここで八つ墓村みたいなかっこうをして水面(どぶ)にナットを落としつつ、かつての家族との幸せを思い出す。切ない。
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それでも、なんとかささやかに兄弟と幸せに過ごしていったが・・・
・・・このあとは、ぜひ実際にこの漫画を見て確認してください。かなり悲惨な不幸がやってきます
あえて、ラストの台詞を載せると・・・
「さあ、かけがえのない第二の人生の出発だ」
とあります。まあ、考え方によると思いますけど・・・これほど希望が見えない「第二の人生の出発」もないんじゃないでしょうか・・・。勘違いしないで欲しいのであえて書きますが、主人公は死なないし、死のうともしないんですけどね。
たぶんこの作者、不幸を描かせたら世界一の漫画家かもしれません。というかたぶん、これこそが作者の意図なんでしょうけどねえ・・・。
正直、気持ちが晴れやかになるとか、ハッピーエンドだとか(捉え方によるかな?)、深く考えさせられるとかそういうのは・・・ないです。この本の帯文「読むと心が傷つくように感動する」って・・・そうかなー?と感じずにいられなかったです。
・・・でも、見ておいてもいい漫画かもしれないかな、と。色んな意味で。というわけで是非皆さんも、機会があったら見てみてください。この漫画の主人公に比べれば自分なんてまだ不幸ではないと絶対に感じます。
それではまた。