背骨(脊柱)は、椎骨という骨が積み重なった構造をしています。
椎骨と椎骨の間には、クッションの役目をする椎間板があります。
首の骨の頚椎は、脊柱の最上部から7個目までを指します。
7つの骨が組み合わさって、頭を上下左右に動かす、首を回すなどの複雑な動きができます。
また、頚椎には、脊髄を保護する役目もあります。
脊柱には脊柱管というトンネル状の空間があり、その中を脊髄が通っています。
脊髄からは神経が、枝分かれし、脊柱のすき間から出て、肩や腕へと伸びています。
首の仕組み


首の骨は負担がかかりやすいため、痛みが起こることもあります。
首には神経などが多く集まっているので、傷めた箇所によっては、手や脚などに障害が起きる場合もあります。
首の痛み - その原因、症状と治療法

<がんの転移>
脊柱には、血管が多く通っているため、がんの転移が起こることもあります。
がんが進行し、当初発生したところ以外にもがんが移ることを転移といいます。
脊柱は、肺や乳房などにできたがんが転移することが多く、首の痛みからがんが見つかることもあります。
がんの転移・感染症・骨折


頚椎から出る神経は、腕、指、指先へと伸び、腕や指の感覚と運動を司っています。
首の痛みと手がしびれるときは、加齢によって起こる頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアが原因で神経根が圧迫されている可能性もあります。
頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアが、しびれを伴う頚椎の病気の大半を占めています。
また、首から腕の痛みと手がしびれるときは、胸郭出口症候群もあります。
胸郭出口症候群は、特に腕を上げたときに症状が強くなります。
手だけしびれる場合


頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアで、脊髄が圧迫されると、手だけなく足にもしびれが起こることもあります。
脊柱を結び付けている靭帯が厚くなる病気を脊柱靭帯骨化症といいます。
脊柱靭帯骨化症でも、脊髄が圧迫されて、手足がしびれることがあります。
手足がしびれる場合


体には、手足を動かしたりするために、最低限必要な数よりも多くの神経が備わっています。
例えば、腕を動かすのにある一定の数の神経が必要だとすると、実際はそれ以上の神経が備わっています。
しびれは症状が進行してから

首の痛みの原因が病気に関係しているのは、約1割です。
他8~9割は、とくに病気などが見られない、心配のないものです。
これら首の痛みを総称して「頚肩腕症候群」と呼ばれます。
首や肩こりからくる痛み


首の痛みを改善するためには、首に負担をかけない生活をすることが大切です。
背筋を伸ばし、あごをひくという姿勢を心がけます。
長時間同じ姿勢を続けないようにして、時々体を動かして、リラックスすることも必要です。
体操などの全身を使う運動を行い、血行を改善させることも大切です。
日常生活で注意するポイント
椎骨と椎骨の間には、クッションの役目をする椎間板があります。
首の骨の頚椎は、脊柱の最上部から7個目までを指します。
7つの骨が組み合わさって、頭を上下左右に動かす、首を回すなどの複雑な動きができます。
また、頚椎には、脊髄を保護する役目もあります。
頚椎症と頚椎椎間板ヘルニア


背骨(脊柱)の老化が最初に起こるのは、椎間板です。
椎間板の水分が徐々に減少して弾力がなくなって、椎間板は薄く変形します。
椎間板が変形すると、衝撃を吸収することが不十分になり、直接椎骨に衝撃が加わるようになります。
頚椎症


椎間板には、中心に髄核と呼ばれるゼリー状の組織があります。
その外側を線維輪というやや硬い組織が取り囲んでいます。
加齢になどによって椎間板が変形すると、衝撃を十分に吸収できず、線維輪に亀裂が入って、髄核が飛び出すこともあります。
これが頚椎椎間板ヘルニアです。
頚椎椎間板ヘルニア


頚椎から出る神経根は、首から腕、指先にかけての感覚と運動を司っています。
そのために、頚椎の神経根が障害されると、首から腕、指先にかけての痛みやしびれなどの症状があらわれます。
また、感覚がない感覚の異常の症状もあらわれます。
手や腕が動かしにくいなどの症状もあります。
こういった症状の多くは、左右のどちらかに起こります。
神経根症状


脊髄は、脳から続いていて、全身に張り巡らされた神経の中枢です。
脊髄が圧迫されると体のいろいろなところに症状が起こり、神経根症状よりも重大な影響が出ます。
脊髄症状


頚椎の病気の治療法には、「保存療法」を「手術療法」があります。
神経根症状の治療の基本は、保存療法です。
まず、頚椎の安静と頚椎に負担かけない姿勢を心がけます。
痛みやしびれがひどいときは、頚椎を引っ張る「牽引療法」や温めて血行を促す「温熱療法」、痛みを抑える「消炎鎮痛薬」などを使った「薬物療法」が行われます。
進行したときは手術をする


前方除圧固定術は、頚椎症と頚椎椎間板ヘルニアの病巣が小さいときに行われる方法です。
のど側から切開し、病巣のあり椎骨や椎間板を切除します。
切除した部分には、骨盤などの骨を移植します。
前方除圧固定術


日本人には、脊髄を通る脊柱管がもともと狭い人が少なくありません。
脊柱管が狭い人や病巣の数が多い人は、脊柱管を広げる「椎弓形成術」が行われます。
日本では、現在最も多く行われている方法です。
椎弓形成術


椎弓形成術では、筋肉を大きく剥がすのが一般的ですが、最近はできるだけ筋肉を傷めないように、部分的に手術したり、筋肉を剥がす範囲を小さくする手術も行われています。
後遺症を減らす試みが行われていますが、行っている医療機関も少なく、医師の間での標準的な方法も決まっていません。
筋肉の付着部を温存する

背骨(脊柱)を構成する椎骨は、靭帯でつながれています。
この靭帯には、椎体ののど側の前縦靭帯、椎弓と椎弓を結ぶ黄色靭帯、背中側の後縦靭帯の3種類があります。
これらの靭帯が、骨や関節がバラバラにならないようにつないでいます。
背骨をつなぐ靭帯が骨化


頚椎後縦靭帯骨化症は、男性に多く、脊髄症状があらわれるのは、40歳代後半以降の年代に多いようです。
患者数は成人の約3~5%と考えられ、日本では約2万人が脊髄症状のために治療を受けています。
靭帯の骨化が起こるか明らかになっていませんが、遺伝的な要因も関わっているといわれています。
頚椎後縦靭帯骨化症の原因はわからない


靭帯の骨化は、鍾乳石のように少しずつ進みます。
そのため、骨化が起きていても初期には症状は、あらわれません。
まず、首や肩の痛み、手足のしびれ、などが起こります。
脊髄に圧迫が強まるにつれ、手足の動きがぎこちない、歩きにくという症状があらわれます。
後縦靭帯骨化症 主な症状と進行


頚椎後縦靭帯骨化症の症状のあらわれはさまざまで、骨化があっても症状がない人や症状の軽い人もいます。
症状がまったくない人でも、靭帯の骨化が進んでいる場合は、転倒や外傷などが引き金になって、突然しびれや麻痺などが起きることがあります。
脊髄症状を突然発症するケースは、患者さん全体の約2割を占めています。
後縦靭帯骨化症 突然重い症状に


症状が軽いときは、まず保存療法が行われます。
頚椎の安静を図るために、頚椎カラーの装着をします。
他に消炎鎮痛薬や筋弛緩薬などによる薬物療法が行われます。
後縦靭帯骨化症 保存療法


保存療法を行っても効果がないときや、すでに脊髄症状が起こっているときは、早めに手術の検討をします。
手術の方法は、骨化した靭帯の場所や形、並び方など、患者さんの状態によって、手術方法が選択されます。
大きく分けて、「背中側から行うもの」と「のど側から行うもの」があります。
後縦靭帯骨化症の手術


残念ながら一度骨化した靭帯は、元に戻ることはありません。
靭帯が骨化しても症状がなければ、特に治療は必要ありません。
しかし、突然発症することもあるため、日常に生活の中で注意することが必要です。
後縦靭帯骨化症 日常生活の注意