いつも関西大学体育会野球部のブログをご覧いただきありがとうございます。
第2回を迎えたマネージャー通信。
今回は、関大野球部から私を含めて2人が参加した、
タンザニア甲子園スタディーツアー
について取り上げます!ぜひ最後までご覧ください!
タンザニア甲子園スタディーツアーとは
タンザニア甲子園スタディーツアーとは、タンザニアにおける野球の歴史や競技レベルを学ぶだけではなく、現地で活躍している日本人の方々のお話を聞きながら、タンザニアという国や文化への理解を深めることを目的としたツアーです。
主に、現地で開催されている「甲子園大会」への参加を通して、こうした学びを育んでいきます。
関大野球部からは、私、マネージャー・織田洸瑠(社1・関大一)と辻寛大(社2・比叡山)が参加しました!
J-ABSとは
J-ABSとは、一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構(Japan-Africa Baseball&Softball Foundation)を指します。6月に代表の友成晋也氏に、関大野球部にてご講演を行っていただきました。その活動に感銘を受け、この度スタディーツアーに参加させていただくこととなりました。
この団体では、『アフリカ55甲子園プロジェクト』を通じて、アフリカに日本式の野球を教え、甲子園大会を開催することを目的とされています。
それに加え、J-ABSが独自に開発した、野球・ソフトボールの指導を通じて青少年少女の『規律・尊重・正義』などの精神を育み、野球を通じたアフリカ人の人格形成を行っておられます。
タンザニアはどんな国なの?
タンザニアという国は、タンガニーカという東アフリカ大陸部とインド洋に浮かぶ島、ザンジバルで構成されています。正式名称はタンザニア連合共和国です。
タンザニア甲子園現地レポート
12月3日13時、小田監督や火置コーチ、その他多くの部員に見送られ、KAISERS BASEBALL FIELDを出発しました。
その後、伊丹空港、成田国際空港、仁川国際空港(韓国)、アディスアベバ空港(エチオピア)を経由し、約20時間をかけてタンザニアのダルエスサラーム国際空港に到着しました!
ダルエスサラーム国際空港
1日目 12月4日
迎えに来てくださったJ-ABSの友成氏と渡邊氏と合流し、専用車に乗り込みました。
車内では、タンザニアの街中を眺めながら、友成氏から現地の様子や文化についてたくさんの興味深いお話をしていただきました。中でも、「道路の右側が発展していても、左側が発展していないということもある」というお話が印象的で、実際の街の風景と重なり、とても勉強になりました。
ホテルに到着後は、市内観光に出発しました!
まず訪れたのはティンガティンガ村です。
ティンガティンガとは、タンザニアで生まれた、アフリカを代表するポップアートの一つです。
色鮮やかで個性あふれる作品が並び、見ているだけでワクワクする空間でした。
作品はこのように飾られていますが、全て販売されている商品です。
また、絵の中に文字を入れてもらえるサービスもあります。さらに画像を見せるとそれをモチーフにした絵を約2日で描いてくださり、世界で一枚だけのティンガティンガを作ることができます!
名前を入れてもらう様子
2日目 12月5日
2日目はJICAや国立博物館を訪問し、本格的な学びが多くある1日となりました。
JICAでは、どのような活動を行っているのか、またアフリカに進出している日本企業の紹介などについてお話をしていただきました。特に印象に残ったのは、JICAの方に直接質問できる時間があったことです。自分の興味を深めることができ、アフリカに対する思いが変わりました。もっと知りたい、もっと関わりたいと感じるようになった、貴重な機会でした。
その後、国立博物館へと移動し、人類の歴史やタンザニアの歩みについて学びました。
人類がどのように成長したのかを、展示を通して歴史に沿って学ぶことができ、とても興味深かったです。また、タンザニアの歴史については、友成氏の説明を交えながら資料や展示を見ることができたため、より充実した学びの時間になりました。
見学後は、スリップウェイという大型商業施設へ向かい、お土産を購入しました。ここでは値段の交渉をすることができるお店もあり、自分が買いたい価格でお土産を購入することができました。
そして、スリップウェイ内にある夕日が見えるレストランでディナーをとりました!
ステーキやパスタだけではなく日本食もあり、料理のバリエーションに驚きました。どの料理もクオリティが高く非常に美味しかったです。
レストランから見える夕日はとても綺麗で、だんだんと沈んでいく様子に思わず見入ってしまい、食べるのを忘れてしまうほどでした。
3日目 12月6日
朝早くにホテルを出発し、今回の旅の1番のメインであるタンザニア甲子園球場に向かいました。球場に着くと、現地の方々が暖かく迎え入れてくれました!
まず、大阪北ロータリークラブの皆様とセレモニーを行いました。ロータリークラブの皆様は、老朽化したタンザニア甲子園球場の改修費用を援助してくださっており、そのことに対する感謝の意を表すセレモニーが行われました。セレモニーではお一人お一人に感謝状が贈られていました。
その後、私たちも加わり、現地の方々とキャッチボールやバッティング体験を通して、野球を通じた日本とタンザニアの国際交流を行いました。
ロータリークラブの皆様との記念写真
午後からは、私たちが主催するスコアラー講習を実施しました!
スコアラー講習では、英語で伝える難しさ、そして野球にあまり馴染みのない子どもたちに理解してもらう難しさという2つの壁があり、非常に苦戦しました...
それでも、真剣に理解しようとしてくれる現地の子どもたちの暖かさや、友成氏の手助けもあり、なんとか最後まで伝えることができました。
スコアラー講習後の写真
講習後は、一緒に野球をしながら交流をしました!
ブルペンでボールを受けてみると、経験や知識がある人からの指導を受ければ、より質の高い球が投げられる、という可能性を大いに感じました。
4日目 12月7日
4日目は、朝からタンザニア女子選手のご家庭に訪問させていただきました。
お母様にインタビューを行う中で、特に印象に残った言葉があります。
「自分の娘は上手くないかもしれないが、いつか試合に出られる日を信じて諦めず努力することが大切と教えている。」という言葉です。
諦めずに努力することは人生においてとても大切なことですが、同時に一番難しいことでもあると思います。だからこそ、その大切さを伝え、支え続けている親の存在は本当に素晴らしいものだと、心から感じました。
選手の自宅にて記念写真
午後からは、タンザニア甲子園球場へ移動し、男子対女子のソフトボール強化試合のお手伝いをしました。
試合では、スコアラーとして現地の方をサポートさせていただきました。
現地では青いボールペンのみでスコアを書くため、ヒットやエラーの区別が少し難しいと感じる場面もありました。
試合後、現地の方に「俺にスコアを教えてくれ」と言っていただき、2人でスコアについて話す時間がありました。
現地のスコアは、まだ十分でない部分も多くあると感じましたが、だからこそ私が少しでも教えていくことができれば、タンザニアの野球発展にも繋がっていくのではないかと感じました。
5日目 12月8日
5日目は野球や人との交流から少し離れ、無人島のボンゴヨ島を訪れました。
ボンゴヨ島では、日本ではなかなか味わえないようなリゾート気分を満喫することができました。
船から見たボンゴヨ島
海や浜辺で遊びながら非日常を体験し、授業や課題に追われる日々を忘れて、童心に帰るような時間を過ごしました。
これまでの学びと活動の合間に、心も体もリフレッシュすることが出来ました。
6日目 12月9日
6日目である12月9日はタンザニアの建国記念日にあたり、デモが行われる可能性が予想されていたため、安全面を考慮してホテルで1日待機することになりました。
ですが、外を1分ほど歩いた先にロータリークラブの皆様が宿泊されており、昼食を共にしながらお互いに話す機会を設けていただきました。私たちからは、現代の野球について話し、ロータリークラブの皆様からはこれまでの人生の中での失敗や経験についてお話ししてくださいました。私は人生経験がまだ浅く、理解しきれない部分もありましたが、皆様のお話には言葉以上の重みや深みがあると感じました。今回伺ったお話を、今後の人生に活かしていきたいと強く感じました。
私たちの発表の様子
ホテルでの待機時間には、他のツアー参加者の方やJ-ABSのスタッフの皆さんと、様々なお話をする機会がありました。これまでの経験や考え方についてのお話を聞いて刺激を受け、自分の人生において非常に意味のある一日になったと感じています。
7日目 12月10日
7日目。朝からSGRに乗り、ミクミ国立公園へ向かいました。
SGRとは、昨年完成した、日本でいう新幹線のような高速鉄道です。その完成したばかりの鉄道に乗り、約2時間かけて最寄り駅であるモロゴロに到着!
到着後は、専属ドライバーの方がお出迎えをしてくださり、車に乗り込み出発!
そこからさらに車に揺られること約2時間...
ミクミ国立公園に到着しました!
公園に到着すると、まずホテルへと向かい昼食をいただきました。
昼食
写真右から2番目のチキンは、スパイスがよく効いていてとても美味しかったです。
昼食後は再び車に乗り込み、サファリへと出発しました!
サファリでは、全部で18種類もの動物を見ることができました。
中でも特に印象に残ったのはライオンです。ライオンは動物園でしか見られない存在だと思っていましたが、野生のライオンは想像以上の迫力があり、強い威圧感を感じました。一方で、お腹を上に向けて寝ていた姿も見ることができ、そのギャップに可愛さも感じました。
ライオン
約3時間のサファリを終え、この日の活動は終了しました。
夜は、ホテルの周りから動物の鳴き声や足音が間近に聞こえ、少しの恐怖の中で眠りにつきました。
8日目 12月11日
8日目。
朝食を済ませた後、すぐにサファリへ出発しました。
この日は13種類と種類は昨日よりも少なめでしたが、その分動物の出てくる頻度が多く、昨日とは違う楽しさがありました。
ゾウやキリン、バッファローなど日本でも有名な動物はもちろん、タンザニアならではの動物も多く見られました。
木陰で休むキリン
サファリの後は再び車に乗り、駅ヘと向かいました。
帰りに外から見るモロゴロ駅は行きとは違った印象で、とても美しく、どこか日本の駅のような雰囲気を感じました。
モロゴロ駅
駅に到着してまもなく電車に乗り込み、SGRでダルエスサラームまで戻りました。
9日目(最終日) 12月12日
最終日は、タンザニア甲子園大会の開会式が行われるため、再びタンザニア甲子園球場を訪れ、現地の方々との最後の交流を行いました。
開会式では入場行進がありましたが、日本でイメージされる行進とは少し異なり、音楽に合わせながら子どもたちが楽しそうに入場してくる姿がとても印象的でした。
開会式という日本では格式ばった行事にも、タンザニアらしさが溢れているのが面白かったです。
またその一方で、国歌斉唱になると全員が胸に手を当て、真摯に歌う姿が見られました。国を思い大切に国歌を歌う気持ちは、万国共通なのだと強く感じました。
ダルエスサラーム甲子園球場
開会式後は、子どもたち一人ひとりとツーショットで写真を撮り、最後のお別れを告げて空港へと向かいました。
短い時間ではありましたが、野球を通して繋がった出会いは、これからも忘れられない思い出となりました。
最後に
このツアーを通して、野球が持つ力や魅力を身をもって感じることができました。また、野球を通じて様々の方々との出会いがあり、その度にたくさんの学びを得ることができました。
この経験は、多くの方々の支え、そして野球を通じた人と人との繋がりがあってこそ実現できたものだと、心から感じています。
今回のツアーで得た非常に貴重な経験を、ただのいい思い出で終わらせるのではなく、関西大学体育会野球部、そしてTaBSA(Tanzania Baseball and Softball Association)に少しでも還元できるよう、自分から活動していきたいと思います。
編集後記
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。第2回マネージャー通信はいかがでしたでしょうか。
私がタンザニアで得た経験と、野球がつなぐ出会いや学びの大きさを、感じていただけていれば幸いです。
次回のマネージャー通信は、1月下旬ごろに公開予定です。
今後とも関大野球部に温かいご声援をよろしくお願いいたします。
マネージャー 織田 洸瑠